他者を犠牲にし自らの目標達成を目指す「危険」なマキャベリ的人物、2つの特徴
マキャベリ的な人物と関わる際には
■2. 利己的な目的のための欺瞞 マキャベリ的な人物は、「目的が手段を正当化する」という考え方を持っていることが多い。この信念により、彼らは道徳的な葛藤を感じることなく、個人的な目標を達成するために欺瞞や操作を駆使することができる。 彼らの感情的な欠陥は人間性をシニカルに捉える原因となり、他者の行動を自己の操作的傾向に照らして解釈し、他人も同様に利己的だと推測する傾向がある。 さらに、2017年に『Europe’s Journal of Psychology』に発表された研究によれば、このような行動は対人関係の質にも深刻な影響を与えている。「マキャベリズムが高い女性は、パートナーを信頼できず、関係を続ける意欲も低い」と研究者たちは説明しており、彼女たちのシニカルな世界観が人間関係に悪影響を与えていることが示されている。 また、2023年の『Personality and Individual Differences』に発表された研究では、マキャベリ的な人物は他者を許すことが少なく、感じた不正に執着し、復讐を求める傾向が強いことが明らかになっている。これにより、彼らのシニカルな信念はさらに強化される。 筆頭著者であるボバン・ネデリコヴィッチによれば、こうした傾向は実生活の中で、「職場や学業で自分が望んでいた報酬や昇進を他者が得た場合、彼らは強い怒りを感じ、その成功を妨害するための操作的な行動に出る可能性がある」という。 しかし、これらの特性の現れ方には違いがあり、ある人は強いマキャベリズムを示す一方、他の人は特定の状況下でのみこれらの傾向を示すことがある。つまり、マキャベリズムの程度には個人差があり、その表れ方もさまざまである。 これらの行動は有害であり正当化されるべきではないが、単に計算された選択ではなく、深い心理的葛藤の結果であると捉えることができる。彼らの感情的な課題や人間性に対する深いシニシズムは、自己保存のために環境をコントロールしようとする誤った試みを引き起こす。 マキャベリ的な人物と関わる際には、明確な境界を設定し、彼らの操作から自分を守ることが重要だ。また、こうした傾向を自覚する人はサポートを求め、専門的な介入を受けることで、操作と不信の連鎖を断ち切り、個人的な成長と健全な関係を築くための第一歩を踏み出すことができる。
Mark Travers