ソフトバンク・栗原陵矢 経験を生かす力 「1試合ずつを頑張った結果が143試合につながった」
大きかった気持ちの変化
写真=BBM
東京ヤクルトスワローズの日本一で幕を閉じた2021年シーズン。勝者がいれば敗者もいるのが勝負の世界なのだが、12球団で共通しているのは、それぞれのチームを支えた功労者の存在だ。そんな彼らの頑張りを、週ベが表彰いたしましょう! 第1回目は、昨季のブレークがまぐれではなかったことを自らのプレーで証明した“鷹の若き実力者”から。 取材・構成=菅原梨恵 写真=高塩隆、BBM 開幕戦や日本シリーズなど要所でインパクト抜群の活躍を見せつけ、リーグ優勝&日本一の立役者の一人となった2020年の栗原陵矢。それだけに、“実質2年目”の今季にかかる期待は、ますます大きくなった。しかし、その重圧を物ともせず、いまやチームに欠かせない存在に。その働きぶりを評価しての今回のインタビューだったのだが、「MVP? 絶対、僕じゃないです!」という相変わらずの謙遜から始まった。 ――昨季、レギュラーシーズンで2試合、出場できなかったことを悔しがっていましたが、今季は見事に全143試合出場を果たしました。 栗原 悔しさしかなかったですからね。でもこうして今季、全試合に出場できて、自分の中でもそこは一番評価できるところだなと。頑張ったなと思います。 ――初めて1年を通じて一軍で過ごした昨季は、いろいろなことが未経験だったこともあって、どんなときも「1試合1試合、必死にやるだけ」と言っていました。 栗原 その点に関しては今季も、特に変化はなかったです。1試合ずつを頑張った結果が143試合につながった、という感じですね。 ――2シーズンを経て、レギュラーとしての自覚のようなものも出てきたのでは。 栗原 全然。レギュラーとは思っていないですよ。 ――昨季と今季で、何か違いを感じた部分はありますか。 栗原 気持ちの面での変化は大きかったのかなとは思います。今季に関して、それほど大きなムラがなく1年間を戦えたというのは、昨季の1年間の経験があったからこそなのではないかと。 ――昨季、シーズン終了後にお話を聞いたときは、「自分の状態が悪くなったときに、どうすることもできなくなってしまった」と振り返っていました。今季も苦しい時期はあったと思いますが、どのように対応していましたか。 栗原 そこも昨年の経験が生きているというか、うまく1試合1試合切り替えられているなと、自分でも感じていました。調子が悪い中でも、練習からいろいろなことを試しながらできたのも、大きいかなと思います。 ――昨季、苦しみながら増やした自身の“引き出し”ですね。 栗原 昨季は一時期、苦しいだけだったので、苦しまぎれにいろいろなことをやっていた感じでした。でも今年に関しては、いいものをどんどんと取り入れていって、「こうしてみよう」とか「ああしてみよう」とか、自分なりに方向性を持って取り組むことができたので。そういうところでも昨年とは違っていました。 ――迷うことが少なくなった。 栗原 そうですね。あとは・・・
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週刊ベースボール