親が児童手当「200万円」を住宅ローン返済に使ったせいで、子どもは「奨学金」で進学することに! 子どもは親を訴えられる?
子どもを育てるためには多くのお金がかかります。「児童手当は貯めておいてあげよう」と思っていても、目の前の生活費が足りなければ、つい使ってしまうこともあるかもしれません。 本記事では、児童手当のほぼ全額である200万円を住宅ローンの返済に充てており、進学資金がなくなった子どもは奨学金を利用せざるを得なかったケースを取り上げたいと思います。子どもからすると、親の借金を子どものお金で返したように見えるかもしれませんが、実際のところ問題になるのでしょうか? 解説します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
児童手当を全部貯めたら200万円
児童手当とは、中学校卒業までの子どもを対象に支給されているお金で、金額は図表1のとおりです(2024年2月時点)。 図表1
こども家庭庁 児童手当制度のご案内 中学校卒業までの受給総額は子どもの誕生月によって変動し、最も多く受け取れる4月生まれで209万円、最も少ない3月生まれは198万円になります。振り込まれた児童手当を放置しておくだけで200万円もの進学資金を準備することができるのです。
児童手当を住宅ローン返済に使ったらダメ?
結論から言うと、児童手当を住宅ローン返済に使っても問題ありません。なぜなら、児童手当は「親のお金」だからです。親のお金で親の住宅ローンを支払っただけの話になるのです。 では、なぜ親のお金になるのでしょうか? それは児童手当の支給対象は、「中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を監護、養育している方」と定められているからです。児童を養育している人なので、基本的には親や祖父母などになるでしょう。 また児童手当の目的には、「児童を養育している方に児童手当を支給することで、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的としています」という記載があります。つまり、児童手当で住宅ローンを支払うことで自宅が確保できるということは、生活の安定に寄与していると考えられるでしょう。