米バイオ企業ノババックス、株価が一時217%高-サノフィとの合意好感
(ブルームバーグ): 仏製薬大手サノフィと米バイオテクノロジー企業ノババックスは、新型コロナウイルス感染症(COVID19)とインフルエンザの両方に効果がある混合ワクチンの商業化などを含む、ライセンス契約に合意した。この発表でノババックスの株価は急伸。米国時間10日早朝の時間外取引で一時217%高に達した。
10日の発表文によると、ノババックスはまず5億ドル(約780億円)を受け取り、開発や規制当局の承認、発売の段階に応じて7億ドルが追加で支払われる。一方、サノフィはノババックスの約5%株を取得する。
ノババックス株価はその後上げ幅を130%高まで縮小したものの、10日引けまでこの上昇率を保てれば、1日として過去最大の上げとなる。
両社はいずれも新型コロナのパンデミック(世界的大流行)期間中にワクチン開発と商品化で他社に遅れ、数百億ドル規模の売り上げをファイザーとビオンテックの企業連合、モデルナといったメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを迅速に開発した企業にさらわれた。
サノフィは今回の合意で、ノババックスがすでに事前購入契約を結んでいる日本と韓国、インドを除く全世界でノババックスのコロナワクチンを販売する権利を得る。サノフィはまた、ノババックスのコロナとインフルエンザの混合ワクチンについて単独の使用権も獲得した。
2023年の業績が厳しく、継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)に疑義が生じていたノババックスにとって、サノフィとの合意は大きな押し上げ材料となる。ノババックスは1-3月(第1四半期)に1億4800万ドルの純損失を計上。前年同期も2億9400万ドルの純損失だった。
原題:Novavax Soars on $1.2 Billion Sanofi Vaccine Licensing Deal (2)
(抜粋)
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Tim Loh