PRで企業やブランド向上支援、自治体の海外PRも 原口博光・Enjin COO
── 企業のブランド力を上げるPRの支援が主な仕事ということですが、どんな事業ですか。 原口 主に三つのサービスがあり、一番売上高が多いのは創業時から手がける「ダイレクトブランディング」と呼んでいるサービスです。テレビや新聞、雑誌、ウェブサイトなどへの露出を支援します。媒体社と相談し「出演枠」(雑誌なら広告ページ)を企画して、PRを支援する取引先企業にその枠への出演を促す。媒体社と作り上げた企画を、「メディアで自分の考えを訴えたい」という取引先企業とマッチングします。 ── 最近買収した企業が担うサービスもあるそうですね。 原口 はい。世界49カ国を結ぶPRネットワーク「ワールドコム」の日本代表社であり、2023年3月に子会社になった「アズ・ワールドコムジャパン」によるもので、顧客のさまざまな悩みに応えるコンサルティングのサービスです。「ストラテジックPR」と呼んでいて、対外的なPRやメディア対策などの支援を請け負います。 企業だけでなく自治体も顧客です。最近では長野県軽井沢町から相談を受け、観光地としての海外でのPRをお手伝いすることになっています。 ── 三つのサービスのうち、もう一つは何ですか。 原口 取材ネタを探すメディアと取材されたいクライアントをつなぐもので「メディアプラットフォームサービス」と呼んでいます。 ── 3事業の売上高の割合は。 原口 ダイレクトブランディングが8割で、あとの二つが1割ずつというのが現状ですね。 ── 創業の経緯は。 原口 (現CEO〈最高経営責任者〉の)本田幸大がもともと広告代理店で仕事をしていたのですが、広告枠を仕入れて右から左に流すだけではない、そこに付加価値が生まれるPRをしたいということで06年に独立し、07年に会社を設立しました。 ── 原口さんは最近、社外取締役として参加したそうですね。 原口 23年8月に社外取締役に就任し、いわば「ご意見番」だったのです。そこでいろいろ意見を言っているうちに「こういう見方をした方がいい」などと、だんだんコンサルみたいな感じで経営に参画していたら、原口にCOO(最高執行責任者)を任せたらどうかというような話になりました。