【日本代表】「流れ変えた」GK鈴木彩艶を武田修宏氏が絶賛 〝帰化軍団〟撃破の立役者
進化した守護神が難関突破の立役者だ。森保ジャパンは15日に行われた北中米W杯アジア最終予選のインドネシア戦(ジャカルタ)で4―0と快勝し、8大会連続の本大会出場へ大きく前進した。序盤はピンチの連続だったが、GK鈴木彩艶(22=パルマ)にスーパーセーブが飛び出してしのぐと、一気に流れを手にしてゴールラッシュに。元日本代表FW武田修宏氏(57=本紙評論家)は守護神の働きぶりを絶賛した。 結果だけ見れば完勝だが、一歩間違えれば大苦戦の危険性もあった。 7万人超の完全アウェーで立ち上がりからインドネシアの勢いに押し込まれると、前半9分に絶体絶命の大ピンチを迎える。相手がカウンターからロングパスを送ると、日本守備陣の隙を突いてMFオラットマングーンが一気にゴール前へ抜け出す。だが1対1になった鈴木は冷静に対応。相手のフェイントを見極めて、強烈なシュートを右足で止めるスーパーセーブを披露した。 その後も立て続けに決定機をつくられるが、鈴木が冷静に対処して事なきを得ると、徐々にリズムは日本へ。前半35分にFW小川航基(NEC)が相手DFと競り合いながらオウンゴールを誘発して先制に成功する。その後は同40分にMF南野拓実(モナコ)、後半4分にMF守田英正(スポルティング)、同24分にDF菅原由勢(サウサンプトン)が決めてインドネシアを粉砕した。 森保一監督は「最初のビッグチャンスがインドネシアに1つ2ついったが、そこをチーム全体でカバーし彩艶が最後に止めてくれた」と快勝劇の立役者となった鈴木の活躍を絶賛。小川も「彩艶が止めてくれたのがチームとして大きかった」と感謝した。 武田氏もこの試合のヒーローに鈴木を指名する。「インドネシアは僕も試合をしたことがあるけど、暑さ、湿度、スコールがあり、競技場の雰囲気が独特。観衆の声やグラウンドの悪さもあってすごく戦いにくい」と過酷な環境を指摘。「そんな中で最初に2~3本、アウェーの洗礼でやられそうになったところを彩艶が止めたのがポイント。流れを変えた。しっかり安定していたのは大きかった」と高く評価した。 1~2月のアジアカップ(カタール)では不安定な守備で批判も浴びたが、今夏に移籍したイタリアの名門パルマで進化を遂げて、最終予選では抜群のパフォーマンスを発揮。この日も堅守でチームに勝利を呼び込んだ。 攻撃面でも随所に良さが出た。先制点をもたらした小川を武田氏は「オウンゴールになったけど、ストライカーとしての能力を持っているから、相手の嫌なところに入っていく。次の試合もアピールできる」と今後の飛躍に太鼓判を押した。 さらに「途中から出てきた選手のモチベーションが高かった。点を決めた菅原、MF前田大然(セルティック)、MF伊東純也(スタッド・ランス)、FW大橋祐紀(ブラックバーン)と良い流れができていた。積み重ねがあって、チームとしてどうするのかが、しっかり形になっている。先発争いがますます厳しくなる」と激しいサバイバルによって、チーム全体の底上げが着実にできていると評した。 試合ごとに攻守でヒーローが出てくる森保ジャパン。勝ち点を13に伸ばして2位オーストラリアとの差を7に広げ、W杯切符へばく進だ。
武田修宏