【PFL MENA】ヒジャブ無し、ラッシュガード&ロングスパッツで、サウジアラビア初女子PFL契約選手のアルセイフが、鮮烈左ハイで失神KO勝ち!
2024年5月10日、サウジアラビア・リヤドのザ・グリーンホールズにて『PFL MENA 1: Riyadh』(U-NEXT配信)が開催された。 【写真】失神KOに下し、刀を振り下ろすポーズを見せたアルセイフ(動画あり) PFLの世界地域リーグ戦は、3月の欧州『PFL Europe 1』に続き、中東&北アフリカ地域のMENA(Middle East & North Africa)が開幕した。 その第5試合で、女子MMAサウジアラビア選手として初めてPFLと契約したハッタン・アルセイフが出場。エジプトで散打王者のナダ・ファフィマルと対戦し、鮮烈左ハイキックでのKOデビューを飾った。 サウジアラビア政府が初めて、オリンピックへの女性選手の参加を認めたのは2012年。2015年以降、複数のスポーツ連盟が設立され、以降は女性のスポーツ参加が大きく進んでいる。 イスラム教の発祥地サウジアラビアは、イスラム諸国の中でも戒律順守の風潮が強く、全身黒い衣装(アバーヤ、スカーフのヒジャブ、目元以外を隠ニカブなど)を着た女性が多いが、近年は服装の規制は事実上撤廃されている。 今回のPFL MENAでは、アマチュア女子アトム級戦として、アルセイフとファフィマルは両者、肌を露出しない長袖ラッシュガードとロングスパッツで、MMAの試合に臨んだ。 ▼アマチュア女子アトム級 3分3R 〇ハッタン・アルセイフ(サウジアラビア) [2R 0分41秒 KO] ※左ハイキック ×ナダ・ファフィマル(エジプト) アルサイフは10歳で孤児となったが、高校でボクシングを始め、ムエタイも習得。国際ムエタイ協会連盟世界選手権(IFMA)で2度優勝の実績を持つ。試合では、頭を覆うヒジャブを着けて試合をすることもあった。MMAの練習は、メインを戦うアブドーラ・アルカタニのもとでトレーニングを積んできた。 対する20歳のファフィマルは、散打エジプト王者。アマチュアMMA1勝をマークしている。 1R、ともにサウスポー構え。先に中央に出るアルセイフに、左前蹴りのファフィマル。そこに組んだアルセイフと四つに右足をかけて首投げ気味に投げたアルセイフに横回転で上を取り返すファフィマル。 ハーフから右を差すファフィマルに下からパンチはアルセイフ。左で差してブリッジで上を取り返すとマウントに。 金網に向かうファフィマルが亀になるとバックテイク。4の字ロックでリアネイキドチョークを狙う。しかし後ろ手を剥がしたファフィマル。アルセイフがバックからパウンドでゴング。 2R、左前蹴りのファフィマル。しかし詰めるアルセイフは左ハイ。嫌ったか組んだファフィマルをがぶるアルセイフ。首を抜き離れたのは組んだファフィマル。 金網背にするファフィマルはオーソドックス構えで肩で息をしてガードが下に。そこにアルセイフは左ハイ! 下からすくいあげようとしたファフィマルの上、顔面にヒットし、ファフィマルは横に崩れ落ちた。 うつ伏せにダウンするファフィマルに、アルセイフは鞘から刀を抜き出す仕草で左右に刃を振り下ろした。 得意のムエタイを武器に、寝技でもピンチを切り返すなど、MMAに対応したアルセイフは、狙いすました左ハイでKO勝ち。 まだアマチュアMMA1戦のルーキーが、今後プロとしていかに活躍するか。Bellatorを買収するなどメジャー2番手となったPFLは、今後も世界の地域リーグとして、中東&北アフリカ地域のMENA(Middle East & North Africa)大会を開催していく。