上市中部活を27年度末に地域完全移行 富山県内初、クラブや団体で活動
中学校の部活動を地域のスポーツ団体や民間事業者に委ねる「地域移行」を巡り、富山県上市町教育委員会は3日、町内唯一の上市中学校について、2027年度末に全16ある部活動を全てなくし、地域移行を完全実施する方針を発表した。県内の自治体で初めてという。生徒の多様なニーズに応えるため、25年度から、気軽に運動を楽しめる教室や地域の文化団体などに参加できる取り組みも始める。 上市中学校では現在、カヌーやバスケットボール、空手道など七つの種目で地域移行が済み、生徒は平日、休日ともに各競技のクラブチームで活動している。今後、別の部活でも地域移行を進めていく。 町教委が小中学生や保護者にアンケートを行った結果、競技力の向上だけでなく、より気軽にスポーツや文化活動に親しむ場があればいいとの声が多く上がったという。これを受け、25年度から、生徒が競技性の高いクラブチームのほか、町総合スポーツクラブ「さんさん」の運動教室や、地域の文化団体などに参加できる仕組みを設定。27年度末に全ての部活動をなくし、放課後の活動はスポーツクラブや文化団体といった複数の選択肢から選ぶ「上市モデル」を確立する。
平井清利事務局長は「部活動がなくなるのはネガティブなことではない」と強調。「地域のさまざまな活動に中学生が参加することで、上市の活性化につながればいい」と期待する。