【DEEP】マットを滑って近づくSAINTを投げて押さえ込んだ長谷川賢が6年半ぶりの白星掴む「ヌルヌル相撲みたいでやり辛かった」
2024年8月31日(土)東京・お台場青海R区画野外特設ステージにて『DEEPサマーフェスティバル2024 in お台場』(U-NEXT配信)が開催された。 【写真】見事にテイクダウンを奪ったハセケンだが、雨で滑る身体を極めきれず 台風10号の影響で小雨が降るなか18時に始まった同大会は、中盤戦に入り雨足が強くなり、主催者側が天気予報を横目に睨みながら試合毎に中断。メインの第8試合まで行われた。 ▼DEEPメガトン級 5分3R 〇長谷川 賢(フリー)117.5kg [判定3-0] ※30-25, 30-27 29-28 ×SAINT(Y&K MMA ACADEMY)94.25kg 長谷川は、元DEEPメガトン級王者で、近年はGLADIATORタレントリレーション、PROGRESS実行委員会としてJ-MMA強化に尽力。今回の現役復帰で、元米軍のSAINT(Y&K MMA ACADEMY)とメガトン級(5分3R・無差別)で対戦する。 16勝4敗1分の長谷川は、2019年3月のONE Championship日本大会でのアウンラ・ンサン戦でミドルキックを受けて肋骨を骨折、緊急入院で2リットルの血を抜き傷口を塞ぐ手術をし、試合から遠ざかった。 2022年2月の『ONE: BAD BLOOD』のONEウェルター級で11戦無敗のムラド・ラマザノフ(ロシア)と対戦予定だったが、腰の怪我の再発により欠場。以降は人材発掘、選手育成に携わりながら、怪我を回復させていた。今回のメガトン級戦は117.5kgで前日計量した。 対するSAINTは、MMA2勝2敗。酒井リョウ、誠吾に連勝後、2021年10月の『RIZIN 31』でスダリオ剛に1R KO負け。2023年11月のDEEP前戦で水野竜也に2R TKO負けで2連敗中。今回は無差別級戦ながら、前回の111.20kgから94.25kgと17kgほど絞っての参戦となる。 前日計量でSAINTは「彼はいい選手ですが自信があります。明日は自分が出来ることを証明します」とコメント。 長谷川は「5年半ぶりの試合になります。知らない人もいっぱいいると思うけど、(SAINTの絞り込まれた身体を見て)めちゃめちゃ練習してきていそうなんで、明日、SAINT選手と盛り上げたいと思います。“ちゃんとできれば”一番強いかなと思います」と、自信を見せた。 「ちゃんと出来れば」と語っていた長谷川だが、試合は雨に濡れたマット上で、やれることが限られる展開に。 1R、サウスポー構えの長谷川。SAINTはオーソからワンツー、右ミドルも、それを掴んだ長谷川は肩口まで持ち上げテイクダウン。ハーフから背中を着かせてパウンド。左で脇差して押さえ込むが、足を戻しニーシールドに。 それを潰して右にパスした長谷川。サイドから押さえ込み、キムラ狙い。手首を外したSAINTはブリッジも、長谷川は逃さず押さえ込み。亀になるSAINTを押さえる長谷川にSAINTはガードに。ハーフ。 右で脇差し、肩固めを狙う長谷川。しかしマウントからサイドも滑りやすい状況で極められず。下のSAINTが背中を着けたままガード。そこに入って行く長谷川のラウンドだがスタミナは? 2R、右ジャブから滑る中ヒザ着きでダブルレッグ、ボディロックでテイクダウンは長谷川! ハーフのSAINTに肩固めも腕を戻すSAINT。左枕で押さえ込む長谷川。細かいパウンド。金網に詰めて枕を左右に変えて押さえ込む。SAINTはヒジで顔を剥がそうとするが動けず。長谷川はアメリカーナ狙いも極められず、サッカーキックを蹴ってコーナーに戻る。 3R、口を開けて息をする長谷川。SAINTは右を突くがまだ遠い。滑るマットの上でつま先立ちで打撃を打てるSAINT。プリントに足を滑らせる長谷川は慎重に。右の強い蹴りはSAINT。その右手が長谷川の目に入り、中断。 SAINTに注意後、再開。足元が滑る長谷川。右手のグローブが外れ、中断も再開。足を踏むと、マットにくぼみの影が見える。右のダブルで前に出る長谷川。SAINTは氷上を滑るように近づく。 一気に詰めた長谷川はボディロックテイクダウン! サイドを奪い肩固め狙い。ケージを蹴ろうとするSAINTを中央側に運び、サイドから押さえ込む。頭を抱え正座まで持って行くSAINTを長谷川が後方に倒してゴング。長谷川は大の字になり、SAINTが長谷川を引き起こした。 判定3-0(30-25, 30-27, 29-28)で長谷川が勝利。 疲労困憊でマットに座り込みながらマイクを握った長谷川は、6年半ぶりの白星に「めちゃくちゃヌルヌル相撲みたいでやり辛かったです(苦笑)。1R目で打撃で行こうと思って滑って、組んで極めようと思ったら滑り、大変でした。でも、純粋に格闘技が出来てすごい楽しいなと思いました。みんな好きでやっているんで、格闘技を純粋に楽しんでもらえたらと思います。またDEEPともども格闘技をよろしくお願いします。5年半ぶりですが、また試合をしたいと思います」と語り、大の字になった。 バックステージでも長谷川は、「雨をナメてました。打撃で行こうと思っていてのが雨で出来ず、テイクできても滑って極められない……疲れちゃったすね。作戦変更を余儀なくされて、15分使って戦うことに切り替えました」と、復帰戦が厳しい内容だったと語り、それでも今後について「いくつか声がかかっているのでどこでやろうかなと」と、MMAで本格復帰を目指すことを語った。 メインの試合後は雨が上がった同大会だが、ワイルドな状況下ならではの戦略で勝ち切る選手、敗れる選手もおり、楽しんだファンもいたが、選手にとってファイトに集中できない危険な状況もあり、ケージ上に屋根が必要など、課題も残る屋外大会となった。
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