琴桜、祖父の元横綱から受けた教え「銀メダルってことは誰かに負けたんだろ!」
大相撲九州場所を14勝1敗で初制覇した大関琴桜は、くしくも祖父で先代師匠の元横綱琴桜(故人)と同じ、大関5場所目の27歳で初めての賜杯を抱いた。初場所(来年1月12日初日、両国国技館)では優勝を争った大関豊昇龍(25)とともに初の綱とりに挑む。 【写真】先代についてふれられ、目頭を押さえる琴桜 祖父は現役時代、強烈なぶちかましで「猛牛」の異名を取り、幕内優勝5回を誇った。孫が相撲大会で2位となり、うれしくなって銀メダルを見せに来ると、「銀メダルってことは誰かに負けたんだろ!」と叱ったという。それ以来、幼き日の琴桜は金メダル以外は車の後部座席に隠すようになった。 今年5月の夏場所で「琴ノ若」から「琴桜」に改名。九州場所では差し身のうまさに加え、前に出る攻撃相撲が光り、今年は6場所で66勝を挙げ、初の年間最多勝を単独で獲得した。日本出身の横綱は、平成29年初場所後に昇進した稀勢の里(現二所ノ関親方)を最後に誕生していない。年明け早々、相撲一家の悲願をかなえる闘いに挑む。