韓国「戒厳令」6時間で解除、朝の福岡空港は大きな混乱見られず…出発する会社員「夜は出歩かない」
韓国の尹錫悦大統領が3日夜に「戒厳令」を発表したことを受けて、ソウル市内の国会周辺などは戒厳令解除を求める市民らと警察官らがもみ合うなど、一時騒然となった。 【動画】福岡空港の新管制塔を報道陣に公開、空港全体がくっきり
韓国で出された戒厳令は約6時間で解除されたが、一時は軍が出動する事態となり、日本国内でも動揺が広がった。韓国は年間200万人超の日本人客が訪れる人気の旅行先で、旅行客らは「現地でも情報を集めたい」と不安を口にした。
4日朝の福岡空港(福岡市)。韓国に向かう便の出発ロビーでは、大きな混乱は見られなかった。2泊3日で韓国に出発するという福岡市の会社員(24)は、インターネットで戒厳令を知ったが、現地の韓国人の友人とやり取りして出発を決めた。「友人たちと現地を回る予定だが、少し心配だ。夜は出歩かないようにしたい」と気を引き締めた。
また、生徒26人、引率教員4人が修学旅行でソウルを訪れている大分県立別府翔青高校(別府市)は、宿泊先や訪問先周辺に異常はないことから、日程変更を行わないことを決めた。船津勇一教頭は「突然のことで驚いた。まだ安心はできないので、何事もなく帰ってきてほしい」と語った。
旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の調査によると、最大9連休となる年末年始の海外旅行先の予約者数は、ソウルが1位だった。同社広報室の担当者は「現地支店を通じて情報収集を進め、状況を注視したい」としている。
一方、来日する韓国人からも、現地を思いやる声が上がった。
仕事のため、釜山からフェリーで山口県下関市に到着した韓国人で、ソウル在住の50歳代の会社員女性は「戒厳令が解除されたというニュースを見て家族と連絡を取ったが、落ち着いている様子だった」と説明。「数時間だけの発令だったため、大きな影響はないかなと思っている」と述べた。
ソウルの西鉄ホテル、キャンセル3件
「ソラリア西鉄ホテル」を韓国・ソウルと釜山で子会社が運営する西日本鉄道(福岡市)によると、ホテル従業員や宿泊客への影響はなく、従業員も通常通り出勤しているという。ただ、ソウルのホテルでは戒厳令の宣言後から4日午前8時半時点で、3件のキャンセルが出た。担当者は「今後の動向を注視したい」と語った。