高齢者の定義が“70歳”以上に!? 年金支給開始の引き上げの疑念も 内閣府で提案
経済財政諮問会議での提言への受け止めは?
編集部: 経済財政諮問会議でなされた提言についての受け止めを教えてください。 中路先生: 高齢者の年齢に関する定義は曖昧ですが、世界保健機関(WHO)は「65歳以上を高齢者」と定義しています。そのため、漠然と65歳で線引きする各種制度が多いのは事実です。一方、日本は海外と比べて長寿国であり、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」である健康寿命でも第1位です。したがって、今回の「高齢者の定義5歳引き上げ」の提言は、日本の実情に沿った提言として妥当であると考えます。ただし、あくまで元気な高齢者に日本の人口減少社会を支えてもらうための提言でもあり、逆に高齢者に無理な負担をかける提言であってはなりません。
編集部まとめ
2024年5月23日に開かれた経済財政諮問会議で、高齢者の定義を現在の65歳から5歳延ばすことを検討するべきとの提言がなされました。今回の提言を受けて、武見厚生労働大臣は「年金支給年齢の引き上げや介護保険の範囲の変更は検討していない」とコメントしていますが、高齢者年齢の引き上げの提言は大きな波紋を呼んでいるようです。
【この記事の監修医師】
中路 幸之助 先生(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター) 1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。