全国900万戸に急増 空き家に外国人が熱視線!【WBSクロス】
国内の空き家は過去最多の900万戸と増え続けていますが、日本の古い家に魅力を感じる外国人が増えているといいます。空き家問題解決の一筋の光となるかもしれないその現場を取材しました。 埼玉・秩父郡の横瀬町。そこに派手な車がやってきました。降りてきたのはアメリカ出身のパーカー・アレンさん。 「本当に静かで、雰囲気がいいですね」(アレンさん) この日訪れたのは、築51年の空き家。最寄り駅から徒歩30分、7LDKで価格790万円の物件です。 「早速、土間ですね。古い物件は土間が多い」(アレンさん) アレンさんは外国人向けに、日本各地の空き家を紹介するサービスを展開しています。「Akiya&Inaka」というサイトを立ち上げ、世界中に情報を発信。YouTubeチャンネルでは、自らが案内人となって、古き良き日本の家をアピールします。
年に50件近くを視察するというアレンさん。この日も紹介できる空き家を見にやってきたのです。 「欄間がある。いいですね。欄間は外国の人からは“匠技”という雰囲気があるので、興味深く見るお客様が多い」 「“魂抜き”がされている仏壇は家具になる。置き物として面白く思ってくれるお客さんもいる」 問い合わせについては「毎日、世界各地から問い合わせがあって、対応するのが大変」といいます。
海外に人気の空き家
埼玉・小川町にある廃校になった中学校。アレンさんはここに事務所を構え、4年前からサービスを展開しています。情報を発信するだけではなく、外国人が実際に物件を購入するときには、不動産業者との交渉など全ての手続きを代行しています。 アレンさんはアメリカ・テネシー州生まれ。大学から日本にやってきて、今年で17年。空き家ビジネスを始めたきっかけについて「空き家が日本に多いことは大学生の時から実感していた。特に震災の後に都会に避難した人たちが地方に戻らない。これをどうにかしないといけないという危機感がわいた」と話します。 サービス開始から4年で500件以上の空き家を海外に紹介してきました。 アレンさんだけではありません。空き家の売り手と買い手をマッチングする専門サイト「家いちば」では、およそ1000件の空き家を紹介していますが、最近、外国人からの問い合わせが急増。去年は100件を超えたといいます。 「毎年何割かずつ増加して、5年間で倍増。円安が背景にあると思うが、外国人からすると(東京から)1~2時間は“東京の郊外”という感覚。それがちょっと離れるだけで(価格が)1~2桁違う。日本人からするとただの古い家だが海外の人から見ると“宝物”に見える」(「家いちば」を運営する藤木哲也社長) 日本の空き家を発信する外国人のSNSも急増しています。英語で空き家情報を発信するSNSのフォロワー数は33万人に上っています。