東京・広島の片道760kmを電気自動車で何度も往復。街乗りはクラシックカー。大阪万博で話題の建築家が愛車を語る
建築家やデザイナーなどクリエイターたちの愛車にまつわる物語をひも解く連載「クリエイターの愛車」の3回目に登場するのは、気鋭の建築家として存在感を発揮する、建築家の小野寺匠吾さんです。 【写真集】今、話題の建築家の愛車を語る!クラシックカーと最先端の電気自動車 小野寺さんは、妹島和世氏と西沢立衛氏率いるSANAAの一員として、世界中のプロジェクトに携わり、2017年に独立後、住宅や店舗など多彩な作品を発表。2025年の大阪万博のシグネチャーパビリオンの設計を担当するなど、最も注目を集める建築家の1人です。世界を飛び回る小野寺さんですが、相当の車好き。愛車について熱く語ってくださいました。
初の相棒はクラシックスタイルのフォルクスワーゲン・ゴルフ
小野寺さんにとって初めてとなる愛車は「フォルクスワーゲン・ゴルフカブリオ classic line(1993年)」。29歳で手に入れてから10年経った今でも健在。街乗り用として活躍しています。ゴルフには世代を超えて継承すべき魅力があるそう。 「僕が幼い頃、父親が鮮やかなスカイブルー色のゴルフに乗っていました。純正のウッドステアリングを装着していて、ゴルフを手放した後、そのステアリングをおもちゃにして遊んでいたのを覚えています。 大人になり、車を探している際にそのことをふと思い出して、93年製のゴルフカブリオを購入。実家からステアリングを探し出して、自分の愛車に装着しました。 SANAAで働いていた頃は毎日この車で通勤していました。仕事や遊びで友人や同僚やクライアント…、あらゆる人を運んだ思い出がたくさん詰まっています。よく壊れるので打ち合わせに遅刻してしまうことが何度かありました…」
時を超えて、ステアリングを受け継ぐ
街乗り用の車として活躍するゴルフ。コンパクトな車体は都内の移動にぴったり。とはいえ、年代モノの車だけに設備面の問題もあって…。 「空調がほぼ効かず、屋根もないので、夏場の運転はやはりキツい。台風や水系の災害にも弱いかな。当初、しばらく乗ったら車好きの父親にステアリングと共に献上して、自分は何か別の旧車に乗ろうと考えていたんです。 でも、いろいろ考えていまだに自分で乗っています。代々、“ステアリングを受け継ぐ”のもよいかもしれませんね。自分の娘が大きくなったときにプレゼントしたいと思うほど、愛着のある車になりました」