災害発生直後の72時間を生き抜く備蓄品…キーワードは「仕分け不要」非常食や水、トイレ、生理用品が一つの箱に、東日本大震災の経験生かして開発、県内8町村が導入
今回の特集は災害を想定した「備蓄品」がテーマです。 キーワードは「72時間」、そして「仕分けいらず」です。 【写真を見る】災害発生直後の72時間を生き抜く備蓄品…キーワードは「仕分け不要」非常食や水、トイレ、生理用品が一つの箱に、東日本大震災の経験生かして開発、県内8町村が導入 長野県の最も南、愛知県と境を接する下伊那郡売木村。 人口500人弱の村が5年ほど前から、避難所に備えているのは…。 「こちらの2階に備蓄しております」 水害にも対応できるよう高い場所に置いているのは縦横およそ30センチの段ボール・50箱。 水や非常食、衛生用品など75品目、災害発生直後の72時間=3日間に、避難所で必要なひとり分の物資がひと箱に収まっています。 この「ガーディアン72BOX」を考案したのは、都内を拠点に防災関連の事業に取り組む企業の代表・有馬朱美(ありま・あけみ)さんです。 有馬さん: 「着の身着のままで逃げてきたと考えた時に衛生的なことを考えて身体を拭く(ものを用意)。お風呂にすぐ入れるという保証はないので髪の毛も拭いたり、お化粧を落としたりとか赤ちゃんもいるかもしれない。そういうことを考えてたくさんの拭くための衛生的なものを入れています」 非常用トイレも3日分、おむつや生理用品も入っています。 有馬さん: 「言葉に出さなくても手に入れることができる、なかなか言葉に出しにくいもの(を入れる)そういうことを考えてセットしました」 この備蓄品の大きな特徴は「仕分けがいらない」点です。 考案のきっかけは、東日本大震災の被災地で自治体の職員が支援物資の手配や仕分けに追われたことでした。 以前から有馬さんと付き合いのあった石巻市の職員もその一人です。 当時の日記を読み上げる石巻市の職員: 「家族で連絡取れず安否不明。物資・食料・水の手配に追われる」 石巻市の職員: 「仕分け作業がとても大変でした」 職員から仕分けの負担について相談を受けた有馬さん。 自身も東北の避難所を訪ね課題を実感しました。 有馬さん: 「職員のかたも一生懸命やっている。なんとか被災者にいい形で提供したいと思うけれど、それがうまく回せなかったり」
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