海外メディアは加速する東京五輪開催の動きに懐疑的「昨年の出来事(延期)が再度起きる可能性がある」
CBSニュースも「新型コロナウイルスのワクチンを依然として待つ中で、日本国民は五輪開催に非常に神経質な状態でいる」とのネガティブな見出しを取り、東京五輪へ向けた「プレーブック」の発表について伝えた。 記事は「組織委員会は五輪の開会式が近づく中で、興奮の高まりを得ようと、最近数カ月で五輪聖火リレーといったイベントを含めて、日本国内で祝いの催しを行ってきた。だが、これらの先行イベントは、観客を入れることがしばしば禁じられ、厳しい新型コロナウイルス対策の条件下で行われてきた。日本が直面しているリスクを感じさせるものだ」と、日本の各地で聖火リレーが無観客や中止になっている状況を伝えた。 また「IOCのトップのバッハ会長は日本の新型コロナウイルスの新感染者数の増加を受けて、今年2度目となる緊急事態宣言を東京で実施した日本のリーダーたちの決断について全面的な理解を示した。だが、彼は日本の組織者たちと共に、安全な五輪を成功させることに引き続き取り組むと語った」と伝えた上で、「しかし、多数の国々で新型コロナウイルスが依然として大流行している。2020年の夏季五輪への参加を各国が辞退し始めて、大会の1年延期を迫ることになった昨年の出来事が再度起きる可能性もある。もしそれが起きたとしても、日本のほとんどの人々は失望することはないと言えるだろう」と、再延期の可能性が消えていないとの厳しい見解を示した。 英ガーディアン紙は、「公表されたプレーブックによると五輪に参加するアスリートたちは新型コロナウイルスの検査を毎日受けることになるがIOCと東京五輪組織委員会は国内からの観客の受け入れを認めるかどうかの決定を6月に先送りにした」と伝えた。 記事は「新たなプレーブックは、東京都や他の3府県が陽性者の増加を受けて3度目となる緊急事態宣言下に入った数日後に発表された。日本は新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、感染者は約57万人で死者は1万人以上と発表してきた。国内で感染流行の中心地となっている東京は、水曜日に1月28日以来最多となる925件の感染があった」と、日本の新型コロナウイルスの感染状況について報告。 同紙は5者協議でのIOCのバッハ会長の「日本の人々が持つ『立ち直る力』が五輪を逆境の中で可能とするだろう」などの発言を伝えた上で、「だが、世論調査では、日本国民の大多数が五輪は中止か2度目の延期にするべきと考えている」と批判的な論調で報じた。