〈解説〉アフリカゾウは「名前」を使うと判明、オウムやイルカとは大きな違いも
「ゾウの心の扉」を開く鍵
「今はまだ、何が起こっているのかを解読するごく初期の段階にあります」と、ウィッテマイヤー氏は言う。 たとえばプール氏は、ゾウは場所にも名前を付けているのかという疑問を抱いている。 「ゾウたちが行動計画について交渉している際には、彼らが同意をしたり、しなかったりする様子が見て取れます。そんなとき、彼らはいったい何を言っているのでしょうか。『わたしは一緒に行かない。そこではないあちらの場所へ行きたいのだ』といったことを伝えているのでしょうか」 「この研究は、ゾウたちの心がどのように機能するのかを探る扉を開くものです」とウィッテマイヤー氏は言う。「われわれはゾウをより深く理解するための一歩を踏み出しており、それはよりよい共存の形を探る助けとなるかもしれません」
文=Laurel Neme/訳=北村京子