「ドカンと倒れそう」住宅街近くの山に“違法建築”された『廃屋』や大量のゴミ...近隣住民は崩落や飛来を懸念 所有者の親族は取材に「解体業者に頼むとお金がかかるので...」京都市
地区の住民が清掃活動を行うが…
原谷地区に住む吉田典夫さん(82)は、自然豊かな場所が廃屋とゴミで埋め尽くされていることに心を痛めています。 (吉田典夫さん)「ここはもともと住民の散歩道だったんですよ。保育園の園児も来ていた。それがこんなふうになって…」 吉田さんは今年6月、地区の環境改善を目指す「原谷の環境をまもる会」を立ち上げました。会には地域住民ら約50人が参加していて、それぞれが清掃活動などを行っていますが、ゴミの量があまりに多く、先が見えないといいます。 (吉田典夫さん)「元に戻らへんでという人もいますし。あまりにも遠い感じがして、結果というのが…」 京都市や住民によりますと、そもそも、このエリアは市の許可無しに建築物を建てられない「市街化調整区域」で、1970年ごろまでは何もありませんでした。 しかし、バブル期(1980年代後半~1990年代初頭)に入ると、このエリアの土地所有者たちが市の許可を得ずに違法に建築を行い、倉庫や資材置き場などとして使っていたといいます。ただ、いつしか大半は使われなくなり「廃屋」になったというのです。
土地所有者の息子に直接取材「いつ解体しますか?」
なぜ違法な廃屋をそのまま放置しているのか。これらの廃屋は別々の人物が所有していて、取材班がそれぞれの所有者を訪ねてみましたが… (記者リポート)「表札はありますが、人が住んでいる気配はありません」 所有者はすでに亡くなっていたり転居したりしていて、なかなかたどり着くことができません。しかし、廃屋の周辺を取材していると、偶然やってきた所有者の息子だという男性に話を聞くことができました。 (記者)「なぜこの建物を建てた?」 (息子)「それはちょっとわからないです。聞いていないので」 (記者)「先代が(建てた)?」 (息子)「そうでしょうね、たぶん」 (記者)「父親は資材置き場などに使っていた?」 (息子)「たぶんなんかいっぱい置いてあったので、材木とか置いていたと思うんですけど。僕はもうほとんど使っていないですけど」 所有者だった父親はすでに亡くなっていて、息子は建築の経緯は知らないと話します。一方で、建物は解体するつもりだといいます。しかし… (息子)「解体業者に頼むとお金が結構かかるので、それやったら自分でやっていったほうが…。僕ひとりで解体するのでどこからバラそうかなと」 (記者)「いつをめどに解体を?」 (息子)「僕ひとりで、空いているときにやりますんで。なかなかいつまでっていうのは言えないんですけど」