青森・六戸町の7人死傷の交差点 被害者家族悲しみと怒り 町長たちが信号機設置を求め要望書
青森朝日放送
青森県六戸町の交差点で9月、一時停止をしなかった軽トラックがワンボックスカーに衝突し、7人が死傷した事故で、再発防止のため町長たちが信号機の設置を警察に要望しました。重傷を負った被害者の家族も、その必要性を青森朝日放送の取材に語りました。 【被害者家族】 「悲しみ以外の何も残らないですね。交通事故、本当に辛いです。もう皆の心の中にずっと残ってしまいますので、本当に一刻も早く対策してほしい」 9月23日、六戸町犬落瀬の十字路交差点で、一時停止をせず直進してきた20代の男性が運転する軽トラックが、デイサービスの送迎車に衝突し、送迎車に乗っていた3人が死亡、3人がけがをしました。 30日には、事故現場の道路を管理する六戸町の佐藤陽大町長たち関係者が十和田警察署を訪れ、高橋肇署長に信号機の設置を求める要望書を手渡しました。 【六戸町 佐藤陽大町長】 「警察署の方もですね、今の現状踏まえて前向きに考えたいという返答をいただきましたけれども、(設置の)決定に関しては後日という話になりました」 「信号は、確実に止まるという意味では、抑止力が高い最大の交通事故防止というかたちとなる」 【高橋芳樹記者】 「事故現場です。発生から1カ月以上が経ちましたが、被害者家族の怒りや悲しみは一向に癒されることはありません」 送迎車に乗っていて事故に遭った被害者の家族が、苦しい胸の内を明かしてくれました。 【被害者家族】 (Q.事故前と今とでは全く違ったお父さんに)「それは本当にそう思います。本当に悔しいです、悔しいの一言です」 「父の場合は本当に重傷でしたので、今もちょっと(命が)どっちにいってしまうかなと思うような時もあります。ですから、(事故から)1カ月経ちましたけれども本当苦しい1カ月ですね」 送迎車の右側の後部席に乗っていた70代の父親は、軽トラックの直撃を受け、骨折など全身に大けがをしました。状態は極めて悪く、回復の見込みも厳しい状況だといいます。 【被害者家族】 「一時停止を守らなかった加害者の方の過失責任は当然重いとは思うのですけれども、3年間に14件も事故が起きているわけですよね。そのうち11件が一時不停止と聞きました。この多さからしたら、やっぱり加害者の方の過失だけではないというか、運転者のマナーの意識だけでは語れない部分があるのじゃないか、とすごく思っています」 事故を受け、現場交差点には、一時停止を順守させるための赤色灯が28日に設置されました。 しかし、取材の間にも停止線を越える車が相次いで確認されるなど、これだけの対策では十分とは言い難い状態です。 【被害者家族】 「本当に早く、早く信号機なり、今要望書を出しているかと思いますけれども、そちらをぜひ早く対策していただきたいと思います」