0.002秒差で初のQ1敗退に険しい表情の岩佐歩夢「乗りにくいわけではないけど、限界値が低い」/スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ
8月24日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで気温35℃と猛暑のなかで行われた2024スーパーフォーミュラ第5戦の公式予選。レッドブル育成ドライバーの一員で初勝利に期待がかかる岩佐歩夢(TEAM MUGEN)だったが、Q1・Aグループで0.002秒という僅差で7番手に終わり、自身にとってSF初のQ1敗退を経験することとなった。 【写真】予選ポールポジション獲得を喜ぶKONDO RACINGの山下健太 前回の第4戦富士では、予選2番手を獲得するもスタートで大きく出遅れて、決勝をノーポイントで終えた岩佐。今回はその立て直しをしたいところだったが、朝のフリー走行では上位に食い込む機会がほとんどなく、トップから0.7秒差の12番手となった。午後の公式予選で挽回を図り、1分32秒914を記録するが、ここでもトップとのタイム差はほぼ変わらず。さらにQ2進出圏内の国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)から0.002秒差の7番手に終わり、Q1敗退を喫した。 岩佐は予選後のメディアミックスゾーンに険しい表情で現れた。 「フリープラクティスから苦戦していましたけど、その苦戦していた要素を引きずったまま予選の結果が出た感じでした。うまくステップが踏めませんでした」と予選日を振り返る岩佐。 「大きな反省点が多くある状況です。Q1の差を見てもそうですし、Q2のトップ9の僅差を見ていると、正直その次元にはいなかったです。ちょっとした変更やアジャストでそこまで行けたかというと、そういう状況ではないので。根本的に見直していかないといけないかなという感じです」 岩佐によると、特に何かのバランスが悪かったというわけではなく、全体的にパフォーマンスが足りていなかったとのこと。「決して乗りにくいというクルマというわけではなくて、単純にパフォーマンスの上限が低い状態で走っているようなフィーリングです。それこそオンボード映像や16号車とのデータを比較しても、とにかく限界値が低いマシンになってしまっていて、『(他車は)なんでここまでグリップするんだろう?』と思うくらいでした。 一方で野尻智紀が駆る16号車は、フリー走行での不調からリカバーし、予選4番手につけた。このことについて岩佐は「2台それぞれでエンジニアとドライバーでキャラクターが違って、それぞれの進め方でやっているので、その辺がうまく合わせられなかったというのが、今回僕たちの大きな反省点ですし、16号車は良いステップが踏めているというのが結果として出ているので、その辺の違いは結果として出ているのかなと思います」と分析していた。 いずれにしても、決勝での追い上げが必須となる状況となったが、日曜日は朝から雨の予報も出ている。スーパーフォーミュラでは、6月の第3戦SUGOでウエットコンディションのアクシデントが続出したことを受けて、2022年まで使用していたスペックのウエットタイヤが導入されている。 「僕としてはまったく経験がないタイヤですし、とにかくやってみないと分からないです。ただ、雨に対しての準備もしっかりしていかないといけないので、しっかりと切り替えてやりたいです」と岩佐。 「天候もどうなるのか怪しいので、どんな状況にも対応できるようにしたいです」と、とにかく前だけを見据えているという雰囲気だった。 [オートスポーツweb 2024年08月24日]