なぜハリルJがサウジ戦4日前にオマーンと親善試合?目的は本田のリハビリ?
ハリルホジッチ監督はボールを奪ったら素早く縦にいれるスタイルを標榜してきた。もっとも、現状ではボールの奪いどころ、縦に入れてからどのように攻めるかは個人任せに等しい状況で、挙げ句、強引な縦パスから安易にボールを失ってはカウンターを招くシーンが多くなっている。 「基本はやりたいようにやる、ということだと思う。サッカーはやらされて、いいプレーができるものではないので。窮屈に感じて、自分の特徴を出せないと意味がない。とはいってもベースを作るのは監督であり、そのベースに乗りながら選手がそれぞれ得意としているプレーをその場、その場で加えていくことを意識しないと。監督が嫌う部分かもしれないし、そのへんの調整が必要かもしれない。それでも伝えていくことが大事だと思う」 ハリルジャパンが特に攻撃面で、頻繁にノッキングを起こす原因を看破していたのだろう。得意としてきたポゼッションサッカーとの融合をイラク戦後に訴えていた本田は、オマーンとの親善試合こそが指揮官に思いの丈をぶつけるチャンスととらえている。 「どこのポジションで出てもチームのコンセプトが変わらなければ、あまり特徴が生きることではない。それよりも戦い方や内容が変われば、どこでやっても逆に生きるという考え方もできるので」 その場合の自らのポジションは、敵地を考慮して守備的に戦ったオーストラリア戦で担った1トップではなく、従来の右ウイングとなる。代表における実績を振り返れば、ひざを突き合わせて話し合いの場をもてるのは本田しかいない。サウジアラビアから白星をもぎ取る歓喜のシーンから逆算した、もうひとつの真剣勝負も幕を開ける。 (文責・藤江直人/スポーツライター)