なぜハリルJがサウジ戦4日前にオマーンと親善試合?目的は本田のリハビリ?
そのうえで、サウジアラビア相手に1点を奪いにいく際のオプションも構築する。具体的には、ともに代表復帰を果たした大迫勇也(ケルン)と久保裕也(ヤングボーイズ)の両FWをどのように使うのか、となる。 就任時から1トップを基本としてきた指揮官は、サウジアラビア戦へ向けて2トップにも言及。6つの交代枠を使える親善試合で、岡崎や浅野拓磨(シュツットガルト)を含めた4人のなかで最も効果的な組み合わせを、実戦のなかで探っていくことになる。 「多分それ(2トップの組み合わせ)は、監督のほうから話をしてくるんじゃないですかね。基本的にそういうことを包み隠さない人なので。このメンバーに入っている以上、誰もが能力があるわけですから。誰が復帰した、誰が(新たに)入ってきたかは関係なく、とにかく今回は勝たなければいけない、ということをしっか りと意識してプレーする。そうした雰囲気は、あらためて伝えられれば」 A代表に選出されて9年目。今回の招集メンバーでは4番目に多い84キャップを獲得してきた30歳は、必勝を義務づけられた大一番で何が求められるのかを熟知している。今回はメンタル面を引き締めるとともに、ピッチのうえで「アドリブ」あるいは「プラスアルファ」を発揮することになる。 「試したいことがいくつかあるので。全部は無理だと思いますけど、オマーン戦で試したいことの優先順位づけをこの数日間でやりたいな、と。コンビネーションのやり方、そのときの選手の動き方、ボールのもっていきどころ、というのにちょっとだけ変化をつけたいと思っていて。そのへんで自分とポジションが近い選手との意思疎通を、テストマッチということを意識して、変えるという意味でトライしてみようかなと」 独特の言い回しを簡潔に表現すれば、ハリルホジッチ監督のもとで築かれてきたベースに、ピッチに立った選手同士による「あうんの呼吸」で彩りを加えていく作業になる。終了間際に決まったMF山口蛍(セレッソ大阪)の劇的なゴールで勝利した10月のイラク代表戦後に、本田はこんな言葉を残していた。 「本当は向こう(イラク)が『うざい』と思うくらいに、(ボールを)回さないといけないというのは感じている」