悪路を走る軽量スポーツカー 300馬力の新型アリエル・ノマド2 公道でも快適に
「ノマド」はどうして生まれたのか
以下、アリエルのサイモン・サンダース取締役とのQ&A。 ――先代のノマドはどのようにして生まれたのですか? 「アイデアの芽は、アトムを作って間もない頃に生まれました。米国のある男性から、サスペンションのトラベルを長くしたアトムを作れないかという電話をいただいたのです。どれくらいの長さが欲しいか尋ねたところ、『3フィート(90cm)くらい』と言われました。その段階ではお断りしましたが、ノマドのアイデアと原理はアトムにあったのです」 ――他にノマドと似たようなクルマはあるでしょうか? 「(ランドローバーの)ディフェンダーからサンドカー、サイドバイサイド・バギー、ダカール・レーサーまで、さまざまなオフロード車を見て回りました。ですが、アトムと同じような原理を具現化したものはありません。アトムを親しみやすく使い勝手のいいレーシングカーと捉えるなら、オフロード用の似たようなクルマはなかったように思います。いずれも特殊な目的のために非常に極端な乗り物になりがちで、公道走行には向いていません」 ――どのようなところにアリエルらしさがありますか? 「使い勝手がよく、公道でも快適で、楽しいものでなければなりません。アリエルは、ドライバーが楽しめるクルマを作るために『本格的な楽しさ』というスローガンを掲げています。AUTOCAR誌がラリーカーとノマドを対決させたところ、ノマドが勝ちましたね。本格的なクルマであると同時に、楽しいものでなければなりませんが、わたし達はそれを実現したのです」
スティーブ・クロプリー(執筆) 林汰久也(翻訳)