日本人もびっくり! ホンダ「S600」が1000万円オーバー!!「エスロク」を狙うならまずは国内の専門業者から探すのがベターです
バルブの駆動機構は国産乗用車としては初のDOHC
S600を含む、一連のホンダ「エス」でなにより特筆すべきは、きわめて高度なテクノロジーの集合体ともいうべき直列4気筒エンジン。ブロック/ヘッドともに軽合金製で、バルブの駆動機構は国産乗用車としては初のDOHC。そして、組み立て式クランクシャフトをニードルベアリングで支持するという、おそるべき精巧な構成としていた。 しかも、ツインキャブですら高性能の証とされていた時代に、京浜精機製CVキャブレターを4連装。これらの驚異的なテクノロジーへのこだわりは、9500rpmという驚異的な高回転をもたらし、606ccの排気量から57psの最高出力を獲得するに至らしめた。 このエンジンには4速マニュアルギアボックスが組み合わされるとともに、ハイポイド式ディファレンシャルを介した左右の駆動用チェーンケースを、リアのトレーリングアームと兼用としたチェーンアクスルを採用している。 いっぽうフロントサスペンションは、縦置きトーションバースプリングによるダブルウイッシュボーン式、つまり4輪独立懸架とされたうえに、ステアリングもラック&ピニオン式。さらに、アルフィンドラム(フィンつきアルミ製ドラムブレーキ)など、同時代の上級ヨーロッパ製スポーツカーにも匹敵する、走りのための装備が盛り込まれていた。
なんと1000万円超えで落札!
RMサザビーズが2024年5月31日~6月1日に開催した「The Dare to Dream Collection」オークションに出品された、この1965年式ホンダS600は、スポーティな色合いの「スカーレット(レッド)」に、アクセントのクロームトリムが美しい1台だった。 日本国内仕様を思わせるフェンダーマウントの運転席サイドミラーが特徴で、純正ホイールキャップつきのホイールに、細いホワイトリボンタイヤを組んでいる。複雑な形状とされた軽合金製カムカバー、あるいは4連装のCVキャブレターが目立つ、エンジンルームのディテールも美しい。 インテリアには、日本の「デンソー(日本電装)」社製の計器類、美しいウッドリムのステアリングホイール、カーラジオ、そしてカラーで鮮烈なコントラストをなす赤いラップベルトが付いた黒のバケットシートが装備されている。 今日の素晴らしいコンディションは、「The Dare to Dream Collection」が入手する前に、ブリティッシュ・コロンビアの有名な「ルディ・アンド・カンパニー」社の手でレストアが施されたことによって実現したとのことである。 長年にわたり、ホンダは忠実で熱心なファンを持つ、さまざまな製品をカバーする特別なブランドを築いてきた。このS600は、世界的に人気を博した最初の車種のひとつであり、最近ではカルト的な人気を博している。