サッカー日本代表の「新顔」望月ヘンリー海輝がサイドバックの序列を崩す 指揮官も絶賛「恐ろしいスピードが出る」
無印ながら特大のポテンシャルが、いきなりスポットライトを浴びることとなった。FC町田ゼルビアの大卒ルーキー・望月ヘンリー海輝がワールドカップ最終予選に臨む日本代表に初選出されたのである。「海輝」は「ひろき」と読む。 【図】サッカー日本代表・識者が考察した「アジア最終予選」ベスト布陣 ナイジェリア人の父親から受け継いだ遺伝子は、192cmのサイズに色濃く出ている。この長身でDFならセンターバックを任されそうだが、ストライドの大きさを生かした推進力はサイドプレーヤーとして際立つ。フィジカルを全面的に押し出す町田で、望月の可能性と将来性は少しずつクローズアップされていった。 ガンバ大阪とのシーズン開幕節で、途中出場ながらいきなりデビューした。しかし、その後は出場機会を得られなかった。 望月が主戦場とする右サイドバックには、リスタートのキッカーとロングスローを担当する鈴木準弥がいる。セットプレーを重要な得点パターンとするチーム戦略では、欠かせない選手のひとりだ。 その鈴木の陰に隠れていた望月にチャンスが巡ってきたのは、4月21日のFC東京戦(第9節)だった。「(相手の)両ウイングが足の速いタイプの選手だったため、スピードや空中戦への対応、またロングスローでのターゲットになれる」(黒田剛監督)との理由から、スタメンに抜擢される。 はたして、背番号33を着ける22歳は期待に応えてみせる。 1-1で迎えた25分だった。右サイドへのフィードに反応すると、ゴールラインぎりぎりで右足を伸ばしてクロスを供給する。オ・セフンのヘディングシュートをアシストしたのだった。 スタメンに定着したのは、6月15日の横浜F・マリノス戦(第18節)からだ。8月25日のアルビレックス新潟戦(第28節)までの11試合中9試合に先発し、29日に発表された日本代表のメンバーに名を連ねたのだった。 日本代表の森保一監督は「非常にフィジカルの能力が高く、サイズ的にも魅力がありますし、サイドバックとして上下動ができる」と評価する。さらに「守備はまだまだ改善しなければならないところはあると思いますが、ボールを果敢に奪いにいく姿勢を見せてくれている。落ち着いてビルドアップに関わることができる。時にはターゲットとして高さを活かして攻撃の起点になれる」と、その選考した理由を説明した。
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