「息子の誕生112日目に妻をがんで亡くし」清水健アナ シングル育児に奮闘も気づけば体重が20キロ減り…テレビ局からいったん去ると決めた
父親としても、自分で勝手に空回りしていました。ひとりでできるわけなんてないのに。当然のことですが、仕事も子育ても100%で向き合いたい。気がついたら体重が20キロも減っていて。あるとき帰宅して、当時3歳だった息子を抱き上げたら、ふらついてしまったんです。そのとき「この姿を見て、誰が喜ぶんだろう」と。このままじゃいけない。あの時の僕の心は普通ではなかったと思います。多くの方が協力してくださっているにも関わらず、わがままを言わせてもらって、いったん、テレビの世界から距離を置く選択をしました。
誰のせいでもない。勝手に自分がいっぱいいっぱいになっていました。父親としてもキャスターとしても。でも、いま、できないことは「できない」「助けて」と言えるようになった自分がいます。自分の弱さを受け入れられているカッコ悪い自分がいます。 PROFILE 清水 健さん しみず・けん。元読売テレビアナウンサー。夕方の報道番組のメインキャスターを務め、現在はフリーアナウンサーとして活動。著書に『112日間のママ』(小学館)ほか。
取材・文/林優子 写真提供/清水健
林優子