新たな変異株「KP.3」が再拡大中。気になる症状や危険性について米医師が解説
ここ数カ月、新型コロナウイルスの感染者数が増える中で、新たにKP.3という変異株が流行の主流になりつつある。 【写真】コロナウイルスに感染したら要注意...! 「絶対に」従ってはいけない、根拠のない健康アドバイス35 KP.3は、FLiRT(フラート)と呼ばれる変異株グループの仲間で、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のデータによると、同じグループのKP.2を追い抜き、現在アメリカで最も多く見られる新型コロナウイルスとなっている。KP.3がアメリカ国内の新型コロナ症例の25%を占めるという報告も。 KP.3とは何か、どの程度の脅威が考えられているか、専門家が解説する。 話を聞いた専門家:ウィリアム・シャフナー医学博士(感染症専門医、ヴァンダービルト大学医学部教授)、ロイ・ジュリック医学博士(ワイル・コーネル医学部感染症主任)、アメッシュ・A・アダルジャ医学博士(ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センター上級研究員)、ハナ・エル・サーリー医学博士(ベイラー医科大学分子ウイルス学・微生物学教授)
新型コロナウイルス変異株「KP.3」とは?
KP.3は、新型コロナウイルスが変化して生まれた新しい種類(変異株)の一つ。KP.2やKP.1.1といった、FLiRT(フラート)と呼ばれるグループの変異株に属する。ヴァンダービルト大学医学部のウィリアム・シャフナー博士は、「KP.3は、KP.2の後継のようなもの」と説明する。KP.3はオミクロン株から進化したもので、シャフナー博士いわく、今冬の流行株であったJN.1の“孫”のような存在とのこと。 新型コロナウイルスは、常に変化を続けている。この変化によって、新しい変異株が生まれてくるのは自然なこと。ワイル・コーネル医学部のロイ・ジュリック博士は、「COVID-19ウイルスが進化を続けていることは、驚くべきことではない」と話す。 KP.3は非常に感染力が強く、現在急速に広まっていることが問題視されている。シャフナー博士によると、KP.3とJN.1は非常に似ているものの、スパイクタンパク質と呼ばれる部分にわずかな違いがあり、感染力が強くなっていると考えられているとのこと。