新たな変異株「KP.3」が再拡大中。気になる症状や危険性について米医師が解説
新型コロナウイルス変異株「KP.3」の症状は?
KP.3に感染した場合の症状は、従来の新型コロナウイルス感染症と似ている。「症状は上気道感染症、いわゆるウイルスや細菌によるかぜ症候群と同様です」とジュリック博士は言う。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、主な症状は以下の通り。 発熱、悪寒 咳 息切れ、呼吸困難 倦怠感 筋肉痛、身体の痛み 頭痛 味覚や嗅覚の低下 喉の痛み 鼻づまりや鼻水 吐き気、おう吐 下痢
新型コロナウイルス変異株「KP.3」の治療法
既存の抗ウイルス薬がKP.3に効くはずだとシャフナー博士は言う。つまり、CDCによれば、アセトアミノフェンやイブプロフェンのような市販薬で、軽度の感染症状を治療することができるということ。 重症化リスクが高い場合は、パキロビッド、ベクリュリー、ラゲブリオなどの処方薬が効くとされ、症状が現れてから5~7日以内に服用を開始することが推奨されている。
新型コロナウイルス変異株「KP.3」感染を予防するには?
KP.3感染のリスクを下げるためにシャフナー博士が推奨するのは、新型コロナウイルスのワクチンを接種しておくこと。ワクチンを接種しているからといって、必ずしも感染しないわけではないが、万が一発病した場合に重症化するリスクを下げることはできるそうだ。 重症化リスクの高いグループに属しているのであれば、新型コロナウイルスの暴露前予防を目的とした新たな抗体、ペンガルダ(※)の服用について医師に相談することも手だと、ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターの上級研究員であるアメッシュ・A・アダルジャ医学博士は言う。 ※アメリカでは今年3月にFDAから使用許可がおりたが、日本ではまだ導入されていない 米国食品医薬品局(FDA)によると、この新薬は、疾患や薬の影響で中等度から重度の免疫不全があり、新型コロナワクチンが効きにくい人のための治療薬として開発された治験薬である。 それ以外にも、シャフナー博士は、特に高齢者、免疫不全者、妊娠者など、重篤な感染症のリスクが高いと考えられる場合は、混雑した屋内での活動を避けるよう推奨している。「屋内に入る場合は、マスクを持参してください」。 「フィット感のあるKN95またはN95のマスクがよいでしょう。定期的な手洗いも有効です」とジュリック博士。 シャフナー博士によれば、屋外に出るときは、ハイリスクであってもマスクなしでも大丈夫だという。「私は用心深いほうですが、屋外にいるときはマスクをしません」。 それでも、新型コロナウイルスに感染するリスクを完全に払拭するのは難しい。「これは流行性のウイルスであり、他の呼吸器系ウイルスと同じように、社会生活を送るうえで、感染のリスクを完全に抑えることはできません」とアダルジャ博士は話す。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 また、日本における新型コロナウイルスに関する最新情報については厚生労働省やWHOのサイトをご確認ください。
Translation: Tomoko Takahashi From Prevntion US