除斥の是非、夏にも統一判断へ 最高裁で強制不妊訴訟が結審
旧優生保護法下で不妊手術を強いたのは憲法違反だとして、障害のある人らが国に損害賠償を求めた訴訟は29日、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)で結審した。不法行為から20年の経過で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用するかどうかが最大の争点。大法廷は、旧法の違憲性も含めて夏にも統一判断を示す見通しで、判決期日は後日指定される。 結審したのは東京や大阪など5地裁に起こされた訴訟。29日午後には札幌、仙台、神戸3地裁の原告側が出廷し、謝罪と賠償を求めた。国側は請求を退けるよう主張した。 仙台訴訟の原告で70代の飯塚淳子さん=仮名=は弁論で、16歳の時に手術を受けさせられたと語り「この被害を闇に葬らせてはならないと、歯を食いしばって訴え続けた。全ての被害者が救われる判決を」と裁判官に訴えた。 札幌、神戸訴訟の高裁判決はいずれも除斥期間を適用せず国に賠償を命じたが、仙台訴訟のみ除斥期間が過ぎたとして一審同様に請求を棄却した。