リバティアイランドはCWコースでシャープな伸びを披露した（撮影・安部光翁）

天皇賞・秋の追い切りが23日、東西のトレセンで行われた。昨年の3冠牝馬リバティアイランド（栗・中内田、牝4）が、栗東CWコースでシャープな伸びを披露。3月のドバイシーマクラシック3着以来の復帰戦となるが、万全の態勢をアピールした。海外遠征も経験して成長した姿をファンに見せつける。24日に枠順が確定する。 【写真】中内田充正師「ひとつ、ふたつ成長してくれている」 雨雲を吹き飛ばすような迫力満点の動きだ。昨年の3冠牝馬リバティアイランドが躍動感あふれる走りを披露した。騎乗した片山助手が納得の表情を浮かべる。 「馬場も悪かったですし、整える程度。最後はストライドを伸ばして自由に走らせましたが、先週よりも上がっています。これで整いました」 朝一番の午前6時半にCWコースに姿を現した。前半は折り合いつけてゆったりと運ぶと、直線では馬なりながら全身を使って滑らかに加速。無理せずラスト1ハロン11秒3（6ハロン85秒5）と鋭い伸びを見せ、調教評価は最高の『S』となった。 17日の1週前追い切りは同6ハロン80秒2─10秒8をマーク。その手綱を取った川田騎手は「休み明けの雰囲気は否めないとは思いますが、それでも内容としてはいい動きができていたと思います。（きょうは）いい変化を感じ取れる追い切りだったので、特に心配なく向かえるんじゃないかと思っています」。見守った最終リハーサルに太鼓判を押した。 鞍上は19日の東京3Rで入線後に落馬。頭部の負傷でその後は翌日の菊花賞を含む騎乗をキャンセルしていたが「こうして会見に出られるほどですから、大丈夫です」と力強く万全をアピールした。 前走のドバイシーマクラシックは初の海外遠征で3着。帰国後は右前脚種子骨靭帯の軽度の炎症が判明して、休養を余儀なくされた。今回はそれ以来となる中210日での実戦となるが、〝けがの功名〟で心身ともにひと皮むけた。 昨秋は470キロ台だった馬体重が500キロ台にパワーアップ。片山助手は「幅が出ましたね。乗った感じからも成長を感じます。昨年のジャパンCと比べても、今の方がいいです」ときっぱり。精神面も成長。鞍上は「慣れない環境での経験というのが、彼女自身をたくましくしてくれていると思います」と目を細める。 GⅠ馬6頭が激突する秋の盾。「ここで素晴らしい走りをみなさんにお届けできればと思って、準備してきています」と川田騎手。メンバー中ただ一頭の牝馬が頂点に立ち、〝最強〟を証明する。（山口大輝）