「みんな最後の詰めが…」駒澤大はなぜ出雲3連覇を逃したか? “唯一の勝てる展開”アンカー勝負での敗因と光明「そこが篠原の甘いところ」
佐藤圭汰不在の影響
藤田監督が「勝利」にこだわるなか、改めて影響が大きいと感じたのが佐藤圭汰(3年)の股関節の故障による不在だった。「出雲に出られないのは分かっていたので、そのための準備はしてきた」と藤田監督は語り、帰山はその役割を果たしたと言えよう。だが、勝つためにはやはり、戦略的に「2区の佐藤」は欠かせない大きなポイントになっていた。 今回、2区では吉田響(創価大・4年)が15分46秒、帰山は16分24秒だったが、もし佐藤が出走していれば、吉田を上回っていた可能性がある。その差を6区にもっていければ、篠原はもう少し余裕を持って戦えたかもしれない。 「今回は圭汰がいなかったから、選手はよりプレッシャーを感じていたと思います。何とかしないといけないという気持ちが焦りを生み、結果的に各区間でちょっとずつ遅れてしまい、篠原に余裕のあるタイム差で襷を渡せなかった。やはり前半区間に1枚、エースが足りなかったというのが大きかったと思います」 ただ、選手たちは、そのことを実感しつつ、そこに頼ったままではいけないという気持ちを新たにしている。 山川は、厳しい表情で、こう言った。 「圭汰が故障して出られなくなり、その分、篠原さんが何とかしてくれるだろうという気持ちがみんなにあったと思います。やっぱり特定の選手に頼り切ってしまう、人任せにしてしまうのは良くないですね。自分も含めて各区間を任された選手は、1位で帰ってこないと、という気持ちで走らないといけないと改めて思いました」 駅伝を走る選手は、それぞれがエースを越えていくぐらいの気持ちになれるかどうか。そういう強い気持ちが足りなかった。 そして、涙にくれたエースだ。 「申し訳ないです。みんな100点で走ってくれました。(負けは)自分のせいだと思います。(ヨギボー記録会からの疲れは)関係ないです。自分が弱かったです」 篠原は、エースとして主将として、全責任を背負い込んでいた。
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