眠ったままの私たちの700億円はどこに行くのか? 「休眠預金」活用への期待と課題(下)
2023年の制度見直しに向けて
法律や議会の審議ではなく、民間団体の意向で国民の私財を活用しようという新制度。成立の過程から現在に至るまで、さまざまな議論が交わされてはいますが、国民的な議論を喚起するまではいかないまま、試行錯誤を重ねながらのスタートとなっている面は否めません。 2023年には制度が見直しされる予定です。莫大な額の「休眠預金」の分配先は公正に選ばれているのだろうか? 本当に社会で困難な状態に置かれている人たちを支援する活動のために使われているのだろうか? 税金の使い道などと同じように関心を持ち、注視していくことが重要になります。 制度を社会にとってより良いものにしていくのは、当事者である“私たち”のはずです。 (石黒好美/Newdra) <プロフィール> 石黒好美/1979年、岐阜県生まれ。岐阜大学地域科学部卒。印刷会社、IT関連会社勤務の後、障害者・生活困窮者の相談支援などに携わる。日本福祉大学福祉経営学部(通信教育部)を経て社会福祉士に。現在は主にNPO、CSR、福祉、医療などの分野で執筆。名古屋の取材・報道チーム「Newdra」メンバー。