【ニューヒーロー列伝】宮崎心之介
早くも頭角を現した。今年11月に戸田でデビューした宮崎が、2節目の平和島最終日で6コースから豪快にまくり、15走目で初勝利をマークした。 「ホッとしました。デビュー期でできればいいと思っていましたが、早かったですね」 幼い頃は父に戸田ボートに連れられて、レーサーに憧れを抱いた宮崎。青山学院大在学中に一般企業への就職を考えていたが、「インターンシップに行ってみると『違う』と感じ、簡単にはなれないと思ったボートレースに挑戦しました」と進路を転換。養成所の試験を一発で通過し、134期生として入所した。 訓練中の事故で左の鎖骨、肩甲骨と左右の肋骨10本を骨折し、肺に穴が開く全治半年の重傷を負う厳しい試練があったが、不屈の精神で克服。135期に編入すると、リーグ戦は最多の3Vを挙げて勝率8・37、2連対率75・8%と断トツの成績を残した。養成所チャンプ決定戦は3着に終わったが、支部の先輩で105期の勝率1位だった佐藤翼と同じく、1号艇ながら6コースから挑んだ。 「約3カ月長くいたぶん〝復習〟として結果を残せたので、自分だけレベルが高かったとは思っていない。開催中は試運転もバンバンやりたいし、レースがない日は練習が最優先」と謙虚に精進の道を進む。 「好きなことを仕事にできたので楽しい。来期のB1級昇格が目標。将来は桐生順平さんみたいな〝戸田の顔〟と呼ばれるように頑張りたいです」 今年のダービーで地元SG制覇を遂げた大先輩の背中を追って、埼玉の逸材が力強く羽ばたく。(佐野友記) =次回は1月10日に掲載 ■宮崎心之介(みやざき・しんのすけ) 2002(平成14)年3月11日生まれ、22歳。埼玉県出身、埼玉支部。24年9月に135期生として選手登録。次走は1月8日開幕の浜名湖一般戦に出場予定。161センチ、50キロ。血液型A。