間宮祥太朗さん「演じる楽しみは、未知なる感情に出合うこと。」【今会いたい男】
ドラマに映画に引っ張りだこの間宮祥太朗さん。その息遣いを生の舞台で見られるチャンスです。 【写真ギャラリーを見る】
「演じる楽しみは、未知なる感情に出合うこと。」
3月公開の主演映画『変な家』が興収50億円超えのヒット。次々と話題作に出演する間宮祥太朗さん。新作の舞台『台風23号』では森田剛さんとW主演、義兄弟役を演じる。 「今の段階では(取材時)義兄に2万円を貸していること、住んでいる街に不穏な事件が起こることなど断片的なことしか聞かされていなくて」 と言いながら、作・演出の赤堀雅秋のつくる作品は間違いなく面白いという信頼を、確かな言葉で語る。 「安易には直視できないような人間の暗部を暴き出す筆致にガツンとした衝撃を受け、俳優としてその作品世界にいつか身を投じてみたいと長く思ってきました。まだ見ぬ自分に出会ってさらけ出す、そんなコントロールから外れるような体験をしたい」と強い意欲を見せる。 映像作品の印象が強い間宮さんだが、演じることの面白さに目覚めたのは10年前の舞台経験だった。
「『飛龍伝』(’13年)という舞台に出たとき、制御できない感情にはじめて出合いました。演技とは意識的なものですが、それだけではない瞬間を知ったことが、俳優としてひと皮むけた経験だった気がします」 意外性みたいなものが間宮さんの魅力のひとつであろうか。意志の強そうな輪郭のくっきりした顔立ちで「普段、小雨なら傘は差さない」と硬派な言葉を吐いた瞬間、「事前に準備して降らなかったとき、ただ傘を持ってきただけになる徒労感が嫌なんです(笑)」と相好を崩した。 「単に面倒くさがりなんですよ(笑)。逆に準備不足で困ることを回避したくて、家に必ずストックしているものもあります。例えば、コーヒーが好きなので、豆を欠かさないようにしているとか。劇場の楽屋で淹れることもあります。その話を森田剛さんにしたら、おすすめの情報を教えてくれました。今回の舞台ではそれも楽しみにしたいです」 今度の舞台で描かれる「台風」とは自然現象なのか何かの暗喩なのか。 「台風が来るたび、心が揺れたり、かき回されたり。そして過ぎ去って……とその繰り返し。自然現象も人間の心も、常にそうやって循環しているような気がします」