「お母さんには内緒」10代の義娘に繰り返し性的暴行 男に懲役9年の判決 男が最後に語ったこと
裁判長: 「主文、被告人を懲役9年に処する。未決拘留日数中150日をその刑に算入する」 判決によって認定された罪となるべき事実は3つ。 ・義理の娘である被害者(当時13歳)に対し、監護者である自身の影響力に乗じて県外のホテルで性行為をしたこと ・公共施設で被害者(当時14歳)に対して着衣の上からさわり、上半身の一部の着衣がない姿を撮影。それらをマイクロSDカードに記録して保存したことなど ・被害者(当時15歳)に対し、1件目と同様に県外のホテルで性行為をしたこと この3件で監護者性交等、不同意性交等、不同意わいせつ、性的姿態等撮影、児童ポルノ製造の罪が認定された。 甲府地裁は ・被告人は性的に未熟な年齢である被害者を相手に、義理の父という本来被害者を庇護すべき立場にありながら犯行に及んでいて、これらは長年に渡る常習的犯行の一環でもある ・単にわいせつな行為に及ぶにとどまらず、性的姿態等を撮影して児童ポルノを製造した本件各犯行は極めて卑劣 ・被害者が感じてきた精神的苦痛の重さがしのばれ、今後の被害者の健全な成長への影響も懸念される ・自らの性的欲求を満たすという犯行の動機に酌量の余地が全くないことは明らか と断罪した。 その一方で、 ・被告人が各事実を認めて反省の言葉を述べ、専門の内省プログラムを受け、書籍を読むなどして更生の意欲を示している ・被告人が被害者と離縁し、被害者の母親とは離婚した上で、被害者とは今後接触しない旨を述べている ・被害者の母親に対し被告が勤務先の退職金を含む292万円余りを贈与し、損害賠償請求等にも真摯に対応していく旨を述べている ・被告人の父親が被告人の監督を誓約している などの理由で求刑12年に対して、被告人に懲役9年の実刑判決を言い渡した。 判決内容が告げられている間、被告は真っ直ぐに前を向き、裁判長の言葉に繰り返し小さくうなづいていた。 被害者にとっては一生背負う傷となることから「魂の殺人」とも呼ばれる性暴力を、本来守るべき立場である義理の父親が行った今回の事件。
その被告は初公判で「(逮捕後に)本を読んで性暴力はよくないことだとわかりました」と述べていた。 なぜ、犯行の前にこの当たり前といえるようなことに被告は気が付けなかったのか。 周囲や社会は被害少女のSOSに気づき、やれることはなかったのか…。 山梨県では11日にも当時11歳の義理の娘に対し、4度のわいせつな行為を繰り返したとされる男の裁判が行われた。 性犯罪は被害者が声を上げなければ、なかなか顕在化しない。 もしかしたら、家族内の性暴力の被害者は私たちが思っているよりも多いのかもしれない。 再発防止に向け課題が突き付けられている気がした。
テレビ山梨