家を守るのは嫁の務めなのに…義父の葬儀より自分の仕事を優先した〈バリキャリ嫁〉に〈63歳義母〉が怒り心頭。密かに計画している「嫁への制裁」の中身とは?【相続の専門家が解説】
自分の財産を息子の嫁に渡したくない場合には、どうすればいいでしょうか。民事信託契約をすれば、財産の流れを変えることができます。本記事では、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が事例をまじえて、民事信託について詳しく解説します。 年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
夫が亡くなった
絵里子さん(63歳・女性)の夫は商社に勤務し、営業の第一線として活躍してこられました。海外勤務も長く、都度、絵里子さんも同行して夫を支えてきました。 夫は定年を目前にして体調を崩し、病院で検査したところ、がんを告知されて入院し治療をしてきました。 幸い、抗がん剤治療が功を奏し、退院後は仕事の現場に復帰して、また海外出張をこなすなど以前と変わらぬ仕事ぶりで夫も絵里子さんも本当に安堵したといいますが、やはり、1年後に再発。結果、告知されてから3年目に亡くなってしまったのです。 夫の相続手続きは一人息子と絵里子さんの2人ですので、全財産を絵里子さんが相続するという形ですることができ、ようやく落ち着いたというのですが、これからのことで絵里子さんが一人で相談に来られました。
息子夫婦に頼れない
一人息子は現在30歳。すでに結婚しており、結婚式は夫の病気が発覚する前に済ませていましたので、夫も喜んでいて、よかったということです。ところが問題が発覚したのは夫の葬儀のときだといいます。 絵里子さんが喪主、次に一人息子、その次は息子の妻が親族に近いところですので、一番近いところで絵里子さんや息子に寄り添って、協力することは当たり前のように思えるのですが、息子の妻は通夜も告別式もギリギリまで仕事をしていて、絵里子さんの神経を逆なでるような態度だったのです。息子は自分の妻に強く言う性格ではないため、結果、義父の葬儀よりも自分の仕事を優先する結果となりました。このことが絵里子さんにとって許しがたい出来事だったのです。 思い返せば、絵里子さんは義父が亡くなった際は夫の赴任先のイギリスからいち早くすっ飛んで帰国し、義母を支えました。それが嫁の務めだと思ったからです。 しかし、息子の妻は「さすが昭和の女ですね!」と笑い飛ばし、「いやー、お義母さんのことは尊敬しますけれど、私にはできないですね。そもそもうちは私も働かないとやっていけないので。まあ、仕事は大好きなのでいいんですけれどね。駐妻っていってただ海外で呑気に暮らしていたお義母さんが羨ましいです」と絵里子さんのことをどこかバカにした態度をとるのです。 というわけで、夫の葬儀の一件で絵里子さんはこれまでたまっていた不満が爆発。直接嫁に言ったところ、「葬儀のサポートなんて私じゃなくてもいいじゃないですか。でも仕事は私しかできないんです」と突っぱね、その後の納骨や一周忌も顔を見せることはなく、息子だけが実家に帰ってきたのです。 絵里子さんは「この家を守ってきたのは私よ。私だって結婚で仕事を辞めたけれど本当は辞めたくなかった。元・駐在員の妻の意地を見せてやるわ!」と息巻いています。