3度目の宇宙へ 星出宇宙飛行士が会見(全文1)後半期間はISSの船長に
星出彰彦宇宙飛行士からのあいさつ
司会:ありがとうございました。それでは引き続きまして星出彰彦宇宙飛行士から今回のアサインに関します意気込み、特に、「きぼう」の、成果収穫期に入った「きぼう」の利用とか、ISSでの活動に対する意気込みですとか、それからもう1つは、コマンダーとしての意気込みですとか、そういったことに対して一言お話をいただきたいと思います。よろしくお願いします。 星出:皆さんおはようございます。JAXA宇宙飛行士の星出彰彦です。本日は、お集まりいただきまして本当にありがとうございます。このたび、国際宇宙ステーションの第64次、第65次、長期滞在の搭乗を決定していただきました。そして、65次、後半の期間はISSの船長を務めさせていただくということになりました。 実は、今年は日本の、「きぼう」日本実験棟の打ち上げから10年という節目の年でございまして、ちょうど私が搭乗したSTS-124(1J)ミッションで飛んでから10年ということになりますけれども、日本の宇宙開発にとっても非常な大きなマイルストーンだったというふうに思っております。その節目の年に、こうやって搭乗が決定するということを非常にうれしく、また光栄に思っております。ご尽力いただいた皆さまに厚く御礼申し上げます。 この10年間は、日本の実験棟「きぼう」、それから宇宙ステーション補給機「こうのとり」、この2つをもって、日本の高い技術力を国際宇宙ステーション計画に貢献するという形で、いろんな研究、それから技術の発展に寄与することができたのではないかというふうに思っております。ただ、最近では、より多くの国々、国際宇宙ステーションへ参加している国々だけではなくて、いろんな国々が宇宙開発に興味を持っていただいて、参画すると。あるいは民間の企業がどんどん参画すると。そういう新しい時代に入ってきたんじゃないかなというふうに感じております。特にここ、NASAのジョンソン宇宙センターで働いていますと、アメリカの民間企業が、やはり次の宇宙船を開発している、そういった現場の近くで働いていますので、その力、あるいはその雰囲気を感じることができております。 そういった中で、先日の第2回国際宇宙探査フォーラムでもありましたけれども、40カ国以上の国や機関が参加して、ISS以降の宇宙探査、これについての議論をさせていただきました。今後、宇宙探査を国際的に進めるに当たっては、やはり日本という国はこれまでの経験、技術、信頼、そういったものをベースに中核的な役割を今後は担うべき時期に来たんではないかというふうに強く感じております。 来年からは、2019年にラグビーワールドカップが日本で開催されますし、私が搭乗予定の2020年には東京オリンピック・パラリンピックが東京で開かれます。こういったところで、アスリートの方は本当に記録ですとか、勝利に向けていろいろ努力をされて、挑戦をしていくという形で参加していきますけれども、私も、ほかのクルー、それから世界中の関係者の皆さんと一緒にスクラムを組んで、国際宇宙ステーションだけではなくて、その先の宇宙探査に向けてもいろいろ挑戦をしていきたいというふうに思っております。以上でございます。 【連載】3度目の宇宙へ 星出宇宙飛行士が会見 全文2へ続く