レンジローバー・スポーツ 詳細データテスト 増した円熟味 影を潜めたダイレクト感とシャープな走り
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
SVは、通常のレンジローバー・スポーツが持つ、走りの広い幅を受け継いでいる。多くのライバルたちがいまだ誇張気味に極端なチューンをしているなかで、そのこと自体はほめられる。だが、そこに妥協がないわけではない。 快適寄りの走行モードでスムースな路面を走ると、乗り心地はクッションが効いて洗練された標準モデルにかなり近い。しなやかなフィーリングで、追従性を失わない。 セカンダリーライドの快適性には、23インチ鍛造ホイールの影響で、きつめのエッジを乗り越える際にはあきらかにガタついたり暴れたりする傾向が見られる。 ダンピングには柔軟性が足りないところがあり、ハード寄りの走行モードでは乗り心地をややぎこちなく感じさせる。小さなインパクトでも、荷重のかかったホイールで受けたものはうまく吸収できず、強くはないがステアリングにキックバックが来ることもある。 フロントシートは快適で調整機能も十分に備え、視認性は全方位とも良好だ。ステアリングホイールの実体ショートカットボタンは、運転アシスト技術のもっとも厄介なものを切ることができるので、このクルマの全般的な付き合いやすさに寄与してくれる。あらゆる点で、神経質さや要求の高さは、そのときの気分に合うくらいあればいいのだ。
購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆
2022年にSVRの販売が終了した際、オプション抜きでだいたい11万3000ポンド(約2170万円)だった。今回のSVエディション・ワンは、本体価格が17万1460ポンド(約3292万円)だ。 JLR曰く、新型SVはまず、選ばれた顧客に少数のエディション・ワンを販売し、続いて5種類のキュレーテッドモデルのセレスティアルコレクションを投入。その5種類はカラーやトリムの組み合わせが決められており、天体や神話に由来するガイア/テイア/イオ/ヴェガ/ソルの名が与えられる。 このセレスティアルコレクションを何台販売するかは未公表だが、供給はかなり厳密に管理されるだろう。そして、強力なライバルの多いマーケットを慎重に切り抜けていくはずだ。今後、もう少しリーズナブルな値付けがされたとしても、驚くことではない。