「疑問を晴らすため」エマニュエル氏が柏崎刈羽原発へ 米駐日大使として初
国や東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発を、アメリカの駐日大使として初めてエマニュエル駐日大使が視察しました。大使の意向で急きょ決まったという視察はわずか1時間ほど。大使にはそこで晴らしたかった「疑問」があったといいます。 東京電力柏崎刈羽原発は、7号機の原子炉に既に核燃料が入れられていて、再稼働にあたっては地元の同意が焦点となっています。 21日朝、エマニュエル駐日大使を乗せた車が到着したのは、原発の建屋ではなく敷地内の高台でした。 そこにずらりと並ぶのは、大容量の送水車や発電機車など。 いずれも東京電力福島第一原発の事故後に導入されたものです。 万が一事故が起きたときに、放射性物質の放出を抑えるための放水や電源の確保ができるよう、津波の影響を受けない高台に配置されています。 エマニュエル駐日大使は、放水の方法などについて興味深そうに説明に耳を傾けていました。 その後も津波を防ぐ防潮堤や原子炉を冷却する水源確保のための貯水池など、福島第一原発事故の後新たにできた安全対策設備を視察した大使。 視察を終え、報道陣にこう話しました。 アメリカ・エマニュエル駐日大使 「今日は私の疑問を晴らすためにここに来ました。(福島の事故後)何が変わって、どんな安全対策が導入されたのか。視察したことで、事故の教訓が生かされ、何重もの対策が施されていることが見て取れました。電力の安定供給や気候変動の問題を原発で解決することを考えるなら、ここで起きていることは重要です」 アメリカの駐日大使が再稼働を目指す日本の原発を自ら視察するのは異例です。 エマニュエル駐日大使は原発の積極利用を支持していて、特に日本で原発の再稼働が進めばロシアからの液化天然ガスの輸入に頼らずに済みプーチン大統領に頼らずに済むと安全保障面でのメリットを挙げていました。 一方でエマニュエル氏はこれまで福島を複数回訪問し東京電力福島第一原発事故の爪痕も見てきていて今後の日本の原発への向き合い方について「正解はない、両方の選択がある」などとも話していました。