大阪桐蔭から3人も。名スカウトが熱視線を送る2018年のドラフト逸材14人
逆にあくまでも現時点での評価を見送った投手のドラフト候補もいた。 社会人では、日本生命の高橋拓巳。大学生では、各球団のスカウトが追いかけている法大の菅野秀哉、早大の小島和哉、東海大の青島凌也、日体大の東妻勇輔、松本航の両右腕に、東洋大の甲斐野央、梅津晃大の両右腕コンビだ。高校生投手の中でも評判の高い明徳義塾の市川悠太、急逝された星野仙一氏の母校のドラフト候補で星野二世として注目を浴びている倉敷商の引地秀一郎についても成長を見届けていきたいという。 「甲斐野は、まだ線が細く、ボールに力が乗らない。梅津も腰高で下半身が突っ張るのが気になる。高橋も特徴がなく、もうひと押しが足りない。高校生では市川は先発型ではなく、今のままではプロでは厳しいかも。日体大の松本は大学では安定感はあるがプロでと考えるとまだ苦しい。伸び幅に期待しにくい。早大の小島も上位に挙がるだろうが、1位指名の範疇ではない。青島も今が精一杯のようにも思える。注目の引地もまだバラバラで重苦しい。素材としては面白いが時間はかかるだろう」 一方、野手には、超高校級が揃っている。 1年のときから清宮を押しのけて4番を打ち、三塁、捕手と器用にこなす早実の野村大樹。2年生ながらU―18W杯に選ばれたメンバーから大阪桐蔭の藤原恭大、報徳のショート、小園海斗の3人だ。 「球界は打てるキャッチャー不足。時間をかけていいから野村をキャッチャーで育てればという期待がある。バッティングは西武の森友哉レベルはある。小園はシュアなバッティングに加えて足もある。こういうショートは、どの球団も抑えておきたいだろう。藤原も肩と足があるのでまず守りで使える。長打力を秘めていて、広島が好みそうな選手だ」 即戦力の要素が強い社会人、大学からは、いずれも外野手だが、立命大の辰己涼介、東京ガスの笹川晃平の名前が挙がった。辰巳は、50メートル5秒7の俊足で、遠投も120メートルを投げ、まだ体は出来上がっていないが、長打力もある。笹川は、浦和学院高時代に甲子園で注目を浴び、東洋大では東都で首位打者。それでもプロ志望届を出さずに東京ガスに進み満を持してプロを待つ。 「辰己にはセンスを感じる。癖もない。こういう選手は使われれば結果を出す。笹川の馬力は半端ないが、タイミングに間がないので、食い込まれるシーンが気になる。プロではアウトコースの対応が課題とされるだろう。それでも足があるので魅力はある」 急成長も伸び悩みもあるのがドラフトシーズン。各球団も大枠で候補をリストアップしているが現段階での評価は、あくまでも叩き台で、今後、リストへの追加や削除などが繰り返されていく。春から秋へ。各球団スカウトの追跡調査は続くのだ。