第10回ふくしま産業賞 特別賞 和農(福島県田村市) 和牛飼料ICT活用
情報通信技術(ICT)を武器に、畜産に不可欠な飼料を栽培し、畜産にも取り組む耕畜連携型農業を展開している。 栄養価のあるトウモロコシの一種を育て、畜産用飼料にしている。無線LANを採用したトラクターを使うなどして電子地図上でほ場を管理している。栽培の状況などが把握できる仕組みだ。畜産業を営む特性を生かし、牛ふん堆肥を持ち込んで農地に還元させるなど工夫を凝らす。質の高い飼料を生産しようと励む。 肉用牛の子牛生産では雑種の雌牛に、黒毛和牛の受精卵を移植する手法に取り組んでいる。安価で市場価値が高くなる子牛を生産するようにし、経営を安定させ、雇用の確保などにもつなげたい考えだ。 「和牛の里」の福島県田村市都路に生まれた高橋将志社長(39)は自衛隊などを経て、神奈川県の民間企業で働いていた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が起きると「古里復興に少しでも貢献したい」と地元に戻り、仲間とともに起業した。
現在は都路町商工会青年部長として、小学生と一緒に地元の名物となるご当地グルメを開発するなど地域活性化にも努めている。 高橋社長は「被災地を守り、復興につなげていきたい。子どもたちが憧れを持つ“かっこいい”農業を展開する」と語った。 ■メモ ▽創業=2017(平成29)年 ▽社長=高橋将志 ▽従業員数=2人 ▽住所=田村市都路町古道字細田沢78の3 ▽電話番号=0247(61)4452