【独自】「明日あなたの息子が死ぬ」“霊媒師詐欺”の巧妙手口 現金入りの袋を“おはらい”…被害者「全財産奪われた」
「明日、あなたの息子が死ぬ」と言われ…
「あなたは、過去に人が死んだ場所を自転車で踏んでしまい、その霊がとりついています。このままだと、明日あなたの息子が死んでしまう」。“霊媒師の孫”だという女は女性にこう告げた。 「『あなたの息子さんは明日死ぬんですよ』って言われた。だからこっちも焦ってしまった」 ショックを受ける女性に、“霊媒師の孫”はさらに「息子を助けるためには、家にある全財産と貴金属を持ってきておはらいをしなくてはいけません」と畳みかけた。 「解決方法は、家の貴金属、お金を全部持ってきて、『おはらいみたいなのをしてくれるよ』って言われて。『家にいくらあるんですか?』『そのお金をおはらいしたら、一生うまくいくよ』と言われた」 女性が迷っていると、横にいた女が「私、お金持ってきます!」と先陣を切るようにお金を取りに帰ると言い出し、霊能力をすっかり信じ込んでいた被害女性も家に戻ってお金を持ってくることにしたという。“霊媒師の孫”は「お金と一緒に、お清めとして塩と米も入れるように」と指示した。被害女性は家に帰り、リュックに現金数千万円と貴金属類、塩や米も入れたという。 そして被害女性と女たちは再び合流。その際とみられる様子が付近の防犯カメラに捉えられていた。 2人の女と共に足早に歩く女性の姿。一行は近くの寺の駐車場へ。「急ぐ必要がある」と、この場所でおはらいし、清めるというのだ。 “霊媒師の孫”を名乗る人物が持っていたのは黒い袋。これにリュックの中の現金などを詰め、水をかけたという。 「お水1本出して私の手を洗ってくれて、その時『じゃあこのリュックの中のものもおはらいしてあげる』『むこう向いて』と言われた」 “霊媒師の孫”から「後ろは見ないで!」と言われ、しばらく背中を向けていた女性。おはらいはすぐに終わり、黒い袋を手渡され、「これで大丈夫。でも、おはらいの効果がなくなるから、5月21日までは中を見ないように」と、16日後まで決して開けないよう釘を刺されたという。 防犯カメラには、おはらいを終えた4人とみられる集団が歩く様子も捉えられていた。先頭を歩くのは被害女性と、手をつないで寄り添うように歩く“霊媒師の孫”を名乗る人物。そして、後ろを歩く2人が声をかけてきた女だとみられている。