ニュースで目にする「春闘」って一体何ですか? 春闘が賃上げに繋がる仕組みを教えて!
新生活シーズンを目前にすると、ニュースや新聞などで「春闘」という言葉を目にする機会があると思います。なんとなく「企業側と労働組合の賃上げ交渉だろう」というイメージをお持ちの方が多いでしょうが、実際にどういったことが行われ、なぜ春闘が賃上げにつながるのか把握している方は少ないのではないでしょうか。 そこで本記事では、春闘の内容と賃上げにつながる理由などについて解説します。
春闘とは?
厚生労働省のホームページによると、春闘とは各企業等の労働組合が全国中央組織の労働団体や産業別組織の指導・調整のもとに、毎年春ごろに賃金引き上げ等を中心とする要求を各企業等に提出して行う団体交渉であると説明されています。 現在の形式の春闘は1956年に始まったとされていますので、意外に歴史が長いと感じる方もいるのではないでしょうか。なお、春ごろに決着がつくことから春闘と呼ばれていますが、一連のプロセスは前年から進められているため、時間をかけて準備を進める労働運動となっています。 労働組合単体だけでは、企業との交渉をスムーズに進めることは難しいです。そこで、日本労働組合総連合会や産業別組織といった組織と連携することが重要となります。
春闘の具体的な交渉内容
一般的なイメージだと、春闘イコール賃上げ交渉だと考える方も多いかもしれません。しかし、実際には賃上げ以外の労働条件・労働環境の整備なども交渉内容に含まれます。昨今は働き方改革の推進やダイバーシティの導入など、労働環境はめまぐるしく変化しており、誰もが働きやすい仕組みを構築することも重要なテーマとなっています。 これらを実現して、労働者の地位の向上や過労死リスクの低下などを求めるためには、企業の経営者との交渉が不可欠です。春闘での交渉によって、物価の上昇やより働きやすい労働環境の整備などにも対応でき、労働者は日常生活を充実させるとともに仕事に対するモチベーションの向上を期待できます。