「寿命を決める臓器」である一方、ダメージを負ってもほとんど症状が現れない「腎臓」の機能低下を示す兆候5つ
原尿には、水分も含め、体にとって必要な物質がたくさん含まれています。こうした物質を「尿細管」が再吸収しています。 このように血液のろ過と再吸収を365日、24時間休まず行っているため、血液に糖がたくさん含まれていたり、血圧が高くなったりすると、糸球体や尿細管はダメージを受けてしまいます。 ただ、「沈黙の臓器」と呼ばれている腎臓は、ダメージを受けてもほとんど症状が表れることはありません。腸のように「おなかが痛い」といった直接的なサインを出さないのです。そのため、本人が気づかない間に、ジワジワと機能低下が進行していく可能性が高いのです。
いまの腎臓の状態を知るには、次のような体の変化を確かめるといいでしょう。 ■あなたの腎臓は大丈夫? 5つのチェックポイント ① 突然、尿の量が減ってしまった 「急性腎障害」といって、尿細管に激しい炎症が起こっている可能性があります。急性腎障害は薬剤が引き起こすケースが多いのですが、サプリメントや食品で炎症が起こることもあります。 尿の量を推し量る目安としては、トイレの回数があります。一般的に正常であれば1日当たり5~7回といわれており、2回以下であると尿の量が少ないといえます。ただし、頻尿などは膀胱に問題があるときに発生することもあるので、トイレの回数だけで判断するのは早計です。
尿の量の減少に加えて、とても疲れやすくなり、ひどいむくみや食欲不振が表れた際には、すぐに腎臓内科や内科を受診してください。 ② 夜に尿意で目が覚める 子どもと大人とでは、尿の出方が違いますよね。赤ちゃんのときは尿の出をコントロールできないので、おむつをつけます。そして、幼い頃はおねしょをするときもありますが、成長するにつれてそれがなくなっていきます。 大人になれば、昼間は何度かトイレに行きますが、夜はほとんど行かなくなっているはずです。トイレに行かなくても済むのは、腎臓に夜間の排尿回数を減らして尿を濃縮する機能が備わっているからです。