儚き沙羅双樹の白い花咲き誇る 京都・東林院で見頃 特別公開、23日まで
平家物語で儚(はかな)さの象徴としてうたわれ、「沙羅双樹の花」として知られるナツツバキが妙心寺塔頭(たっちゅう)の東林院(京都市右京区)で見頃を迎え、恒例の「愛(め)でる会」が10日から始まった。 東林院ではナツツバキが約20本植えられ、開花に合わせて期間限定で特別公開される。今年は6月初めから咲き始めたという。 夜明けごろ咲いた花は夕方には落ちてしまうといい、緑の苔(こけ)むした庭にかれんな白い花がちりばめられ、鮮やかなコントラストを描いていた。参拝者は本堂の縁側に座り、儚い花に思いを寄せていた。西川玄房(げんぼう)住職(85)は「人の世は常ならぬことを知り、一日を精いっぱい生きることが大切。花を見ながらお茶を飲んでほっこりしてほしい」と話した。 23日まで。抹茶と菓子付きで1600円。