現役最後、母校へ恩返し 明石商元主将・大西進太郎さん、後輩の練習手伝い /兵庫
<センバツ2020> ◇元主将・大西進太郎さん(21) 大阪体育大スポーツ教育学科3年 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 今春のセンバツで初の頂点を狙う明石商に、力強い「助っ人」が駆けつけた。2016年のセンバツ初出場時の主将、大西進太郎さん(21)=大阪体育大スポーツ教育学科3年=だ。専攻する「コーチ教育」の実習で10日まで母校に滞在する大西さんは「部員全員が心を一つにして戦ってほしい」と連日、後輩たちの練習を手伝っている。【韓光勲】 大西さんは明石市の出身。「地元の学校で甲子園に出たい」と明石商に進み、15年夏の兵庫大会では、準決勝の延長十一回にサヨナラ本塁打を放った。春夏通じて初の甲子園だった16年のセンバツには主将として臨み、見事に8強入り。「憧れの甲子園に出場できただけでも驚きだった」と当時を振り返る。 阪神大学リーグに所属する大体大では三塁手として活躍。19年6月に神宮球場であった全日本選手権の1回戦(対高知工科大)では、応援に駆けつけた狭間善徳監督の目の前でタイブレークの延長十回にサヨナラ安打を放ち、狭間監督から「おまえは幸せものや。よくやった」とほめられたという。 就職活動などの関係で、野球は3年生までと決めている大西さん。現役の最後に母校へ恩返しをしようと、実習期間の今月3日から8日間、懐かしいグラウンドでノック練習などを手伝っている。 大西さんが母校に来て、すぐに気づいたことがあったという。たとえベンチ入りが厳しくても、誰一人として諦めていないことだ。「悔しさを押し殺して必死に頑張る後輩たちを見て、少しでも力になりたいと思った」と語る。 大西さんからアドバイスを受けた松下裕人選手(2年)は「憧れの先輩に教えてもらえてうれしい」と大感謝。大西さんは「ベンチに入れなかった選手がうまくなれば、その分、全体のチーム力が上がる」と頼もしい後輩たちにエールを送った。 〔神戸版〕