被災の輪島市中学で卒業式 たくさんの笑顔とぬくもり背に
能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市の市立中学全3校で9日、卒業式が行われた。門出を迎える計約150人の中には、親元を離れて集団避難した生徒や、残って間借りした地元高校に登校した生徒もおり、地震後は普段とは違う学校生活を送った。 門前中では、ランチホールに卒業生計17人と保護者、教職員たち約100人が集まった。卒業生代表の細川暖さん(15)は答辞で「地震で一瞬にして日常が非日常となった。停電、断水、余震におびえながら過ごす日々が続いたが、各地から炊き出しや物資の支援などたくさんの方々が来てくださり、笑顔やぬくもりをいただいた」と話した。 将来の夢は看護師だといい「支援してくださった看護師さんの笑顔に触れ、一層夢をかなえたい気持ちが強くなった」と力を込めた。 同市では、希望する生徒が1月から保護者と離れ、約100キロ南にある宿泊研修施設「県立白山青年の家」(同県白山市)に集団避難していた。今月8日、式に備えて施設を退所し戻ってきた。
市教育委員会によると、3校の体育館はいまだ避難所になっている。