徳島をJ1に導いた7月の戦術変更
(J1昇格プレーオフ:京都0-2徳島 国立 2013年12月8日) 99年にJ2が創設され、2部制になってから15年。来シーズン、四国のクラブが初めてJ1に参戦する。ガンバ大阪、ヴィッセル神戸に続くJ1行き3枚目の切符を手に入れたのは、J2・4位の徳島ヴォルティスだ。J1昇格プレーオフの準決勝で5位のジェフ千葉を退け、決勝では京都サンガを2-0で破り、優勝を飾った。 【表】横浜F・マリノスがJリーグから消滅 負債6億円超
■対照的なチームの対戦 攻める京都と守る徳島――。 その決勝戦は、ポゼッションを志向するチームとカウンターを狙うチームが顔を合わせれば、こうなるという典型的なゲームになった。そして、押し込んでいるチームがゴールを奪えないでいると、最後はこうなるという象徴的なゲームでもあった。 ボール支配率では京都が圧倒していたはずだ。しかし、この試合で生まれたふたつのゴールは、いずれも徳島が数少ないチャンスを生かしたものだ。前半39分の1点目は徳島にとってこの日初めての、2点目は二度目のチャンスをモノにした。 先制点はコーナーキックから名古屋では闘莉王の控えだった千代反田充のヘッドで奪い、4分後のゴールはロングボールを高崎が頭で”スラし”、走り込んだ津田知宏がトゥキックで蹴り込んだもの。セットプレーとスピードを生かしたカウンター――。それはまさに、徳島が最も得意としている形。シュート4本で2得点という効率の良さに、ボランチの柴崎晃誠は「これがうちの戦い方ですから」と胸を張った。 ■想定通りだった戦い方 ほとんど一方的に攻め込まれた前半は、徳島にとって予想どおりのものだったという。「ボールを持たれるのは分かってました。粘り強く守ってカウンターを狙っていたから想定内でしたね」と津田が言えば、センターバックの橋内優也も「前半の20~30分を凌げれば、相手の攻撃は必ず落ちると思ってました。そこさえ守り切ってカウンターを繰り出されば、うちは強い。相手のウイークポイントを突くというプラン通りの戦いができましたね」と振り返った。