徳島をJ1に導いた7月の戦術変更
後半戦に植え付けられた粘り強い守備の秘訣は、細部にこだわり、徹底的に指導する小林監督のたまものだと橋内は言う。 ■小林監督の徹底した指導 「週明けに毎週、自分たちの試合のビデオを見るんですけど、サボっている場面やセカンドボールへのポジショニングが悪い場面なんかを見せられ、指摘されるし、そうした部分をしっかりやっている選手が試合で起用される。だから、みんなすごく意識しているし、いい意味でメンバーが固定されていないし、誰が試合にでてもやれている。それに、監督は練習中、全員に声を掛けてくれるので誰も“見られている”と思ってやっています」 その橋内自身も、福元洋平、青山隼といったレギュラーのセンターバックが負傷したことで起用され、プレーオフ決勝での完封勝利に大きく貢献した。 徳島は2年前、最終節で敗れてJ1昇格を逃している。当時もピッチに立ち、試合後に号泣したという津田が言う。彼は名古屋で本田圭佑と同期入団だ。「いろんな思いがあったので、試合が終わったときはその思いがこみ上げてきて、グッと来ました。徳島に来たときから、J1を目標にしてやってきたので、達成できたという実感が湧いてきました」 J2参戦9年目で掴んだ悲願。四国勢初のJ1クラブとして来シーズン、徳島は新たな歴史の扉を開く。 (文責・飯尾篤史/サッカーライター)