管理職が部下を“お客さま”扱い…全国120所中「下から11番目」だった製薬会社の営業所が「1位」まで急成長。上司の驚きの指導方法
部下が話したそうなことを話してもらう
「語ってもらうは、質問することと同じではないか?」と思う方もいるかもしれません。私も当初は「質問しなければ」と強く意識していました。ところが、質問すればするほど部下が答えに難渋していることが多くなってきたのです。質問の仕方をいろいろ変えてみても、返事が同じになったり、何度もする深堀りの質問に答えが堂々巡りになったりしました。 表情にあからさまに出るわけではありませんが、部下は仕方なく、イヤイヤ答えているのではと感じました。もはや部下には「詰問」だったのでしょう。私の質問のスキルも低かったのでしょう。このとき私は、「自分が聞きたいことを質問しているだけではないか?」と考えました。そして「このような1on1で部下の行動変容につながるだろうか?」と思ったのです。 ある日、営業でお客さまと接するとき常に念頭に置いていた、「お客さまに語ってもらう」ことを思い出しました。同時に、管理職研修で学んだある言葉を思い出しました。それは「今後、管理職の皆さんのお客さまは部下になります」というもの。そこで、部下をお客さまに置き換え「部下が話したそうなことを話してもらおう」と考え実践したのです。 すると、徐々にですが部下の話す時間が増え、上司(私)・部下ともに1on1への抵抗感が少しずつ軽減されていきました。「部下に語ってもらう」が有効な対応となったのです 小川 隆弘、 キャリアコンサルタント、コーチ、研修講師 ※本記事は『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。